「アメリカンイーグル(AMERICAN EAGLE)」や「フォーエバー21(FOREVER 21)」など大手海外ブランドの日本撤退が相次ぎ発表された2019年。今年は、東京・渋谷エリアの大規模都市開発による開業ラッシュで都心部は華々しくにぎわう一方で、長年地域に愛された地方・郊外百貨店が売り上げの低迷によって多く閉店した。国内企業のブランド休止や破産も目立ち、名所とされた店舗は惜しまれながらも街から姿を消している。19年に閉店あるいは閉店を発表した路面店や商業施設を、企業動向とともにあらためて振り返る。
【大手海外ブランドの日本撤退】
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「アメリカンイーグル」が全店を閉鎖 日本から撤退
・2012年4月に日本上陸
・12月末までに順次閉鎖
・低価格カジュアルが相次ぎ撤退
「フォーエバー21」が日本撤退 10月末で全14店舗とECを閉鎖
・2009年4月に日本上陸
・10月末に国内全14店舗と自社ECを閉鎖
・9月29日、米フォーエバー21経営破綻
プレミアムジーンズの米「エージー」が日本撤退
・表参道店は10月31日で閉店
・ジャパン社は11月22日で解散
・プレミアムジーンズブームをけん引
「ベルスタッフ」が日本撤退 7月末をメドに国内6店舗を閉店
・2017年にブランドを取得した企業の意向
・9月末でジャパン社も解散
・英国市場に集中
【苦境の百貨店やショッピングセンター】
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そごう・西武が一気に5店舗を閉鎖、1300人をリストラ
・西武大津店(1976年開業)など5店舗を21年2月までに閉鎖
・西武秋田店、西武福井店の2店舗は店舗の一部の営業を終了
・郊外店はSC化を推進し、首都圏に経営資源を集中
東急東横店が2020年3月末で営業終了 86年の歴史に幕
・1934年開業
・地下の食品売り場は営業を継続
・東急百貨店の最大の収益店舗だった
伊勢丹相模原店が29年間の営業を終了 別れを惜しむ人が殺到
・1990年開業
・最終営業日は1500人が列
・府中店(1996年開業)も同日閉店
高島屋港南台店が20年8月で閉店 37年の歴史に幕
・1983年開業
・2020年8月16日に閉店、海老名のサテライト店も20年2月閉店
・子会社・米子高島屋は地元企業に譲渡
丸井が京都店と川越店を閉店
・京都マルイは2011年開業、川越モディは1970年開業(2007年にモディ業態に転換)
・京都は2020年5月末、川越は同年1月末で閉店
・京都店は賃貸契約の満了により、川越店は今後も賃貸ビルとして継続
パルコが宇都宮と熊本の閉店を正式発表 特損45億円を計上
・熊本パルコは1986年開業、宇都宮パルコは1997年開業
・熊本パルコは賃貸契約の満了に伴い
・宇都宮パルコは郊外SCやアウトレットモールの開業により
【ブランド路面店相次ぐ】
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ランバン ジャパン解散、銀座旗艦店は7月末に閉店
・ジャパン社は8月15日に解散予定
・「本国の決定によるもの」
・コロネットは引き続き同ブランドの卸を継続
フレッド シーガルが代官山の旗艦店を閉鎖
・1月15日に閉店
・ログロード代官山に2015年4月に出店
・日本事業は継続、EC、PBを強化
ローズバッドの渋谷本店が閉店へ
・1月27日に閉店
・賃貸契約の満了に伴い
・渋谷エリアで新規出店に向け交渉中
「ギャップ」が原宿の旗艦店を5月7日に閉店
・渋谷・原宿エリアから完全撤退
・人件費や家賃などのコスト負担重く
・「今後はECに投資」
アバクロ、福岡の旗艦店が2020年に閉店
・2020年下期に閉店
・2019年にミラノ旗艦店を閉店
・香港とコペンハーゲン店はすでに閉店
渋谷スペイン坂の「ユニクロ」が閉店 フリースブーム当時から営業
・10月14日に閉店
・渋谷初の店舗として2001年オープン
・閉店は賃貸契約満了に伴うもの
セレクトショップの「キャンディ/フェイク トーキョー」が閉店
・12月15日に閉店
・2011年に伊藤雄相が立ち上げたショップ
・公式オンラインストアは現在も営業中
「ヒロココシノ」が銀座・並木通りの路面店とギャラリーをクローズ
・7月末に閉店
・銀座エリアで新店舗出店を計画中
・ギャラリー機能は芦屋に集約
【ブランド・事業終了】
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「クリスチャンダダ」がブランド休止
・2019年末でショップは閉店
・2020年春夏は生産せず
・森川は新規事業立ち上げの準備中
梨花プロデュースの「メゾン ド リーファー」代官山店が閉店
・年内に全店を閉店
・約2000人のファンが別れを惜しむ
・「これでお別れではないですよ!」
セレクトショップのハバダッシュリーが事業終了 全6店を閉店
・9月3日までに全6店舗を閉店
・業績不振を受けて事業を清算
・オリジナルブランドも終了
「ジル サンダーネイビー」が2019年春夏で終了
・2011年春夏にスタート
・国内では9百貨店で直営店を運営
・新ラインを立ち上げたこととは「無関係」
「キッカ」がブランド終了を発表 2019年秋から順次
・2019年秋冬コレクションを最後に終了
・ECサイトでは20年まで販売を継続
・吉川メイクアップアーティストは3月末に退任していた
高島屋とセーレンの合弁会社解散「ディアマユコ」は20年2月で終了
・2020年2月中旬をめどに順次閉店
・高島屋8店舗で運営
・事業改善に時間を要し決断
【有名店の経営破綻】
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サンモトヤマはなぜ自己破産したのか?
・10月1日に自己破産、負債総額は9億7150万円
・銀座本店は11月10日に閉店
・創業者の茂登山長市郎氏死去後のイバラの道
子ども服マザウェイズ・ジャパンが破産 負債総額は約70億円
・イギリスの子ども服ブランド
・ショッピングモール中心に全国展開
・低価格チェーン店との競争激化などが影響
“白鳥エステ”などエステサロン運営のアキュートリリーが破産
・負債額は調査中
・低料金&高品質な施術が人気だった
・給与未払いがSNSで話題になっていた
【事業再編のため、大量閉店】
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オンワードHDが大量閉店で今期240億円の赤字に
・250億円の特別損失を計上
・営業利益は前回発表から78.3%減
・不採算事業からの撤退・縮小
【若者に愛された名店も】
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渋谷を代表するクラブ「トランプルーム」が閉店
・2007年開業
・7月13日で一旦休業
・エイサップ・ロッキーらがMVを撮影
渋谷の名物カフェ「オン ザ コーナー」が7月に閉店
・2010年開業
・入居するビルの老朽化に伴う取り壊し
・内装は野村訓市率いるトリップスター
大阪・心斎橋の名物書店スタンダードブックストアが閉店
・2006年開業
・ビルの賃貸契約満了により
・代表は新店を計画
秋吉成紀(あきよしなるき):1994年生まれ。2018年1月から「WWDジャパン」でアルバイト中。