
変化の激しいラグジュアリー
追求すべき本質とは?
2月2日号の「WWDJAPAN」では、1月の2026-27年秋冬メンズ・ファッション・ウイークを速報。“BUILT TO LAST 時代を超えて、愛される服 ”というタグラインを掲げ、単なる流行の消費ではなく、着る人の人生に寄り添い、時間の経過とともに価値を深めていく服のあり方について再考する。
最大のトピックスは、37年にわたり「エルメス(HERMES)」のメンズを牽引してきたヴェロニク・ニシャニアン(Veronique Nichanian)によるラストコレクションだ。彼女が残した「今を生きる服、この先を歩む服」というメッセージは、変化の激しい現代においてラグジュアリーが追求すべき本質を雄弁に物語る。
コレクション全体を読み解くキーワードの1つが、服への「愛着」と「継承」だ。象徴的だったブランドの一つが、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)とラフ・シモンズ(Raf Simons)による「プラダ(PRADA)」。ニットのくたびれやシャツの焦げ跡といった「生活の痕跡」をあえてデザインに落とし込み、所有者と服との親密な関係性を表現した。そして、もう一つのキーワードが、「自分らしさ。「ルメール(LEMAIRE)」は今回、ショーではなく「演劇」という形でコレクションを発表。俳優やクリエイターといったさまざまな人々をモデルに起用し、着る人の人間性、個性、価値観が滲み出るような、真の意味での“スタイル”を伝えることを試みた。
一方で、パリの公式スケジュールに15人ものデザイナーが名を連ねた日本人勢の活躍も目覚ましく、不安な時代に「色彩の抱擁」を表現した「オーラリー(AURALEE)」、ノスタルジックな情景を的スタイルに乗せた「シュタイン(SSSTEIN)」は、繊細な感性が息づく新しいエレガンスで存在感を発揮した。(この特集は「WWDJAPAN」2026年2月2日号からの抜粋です)