
「ディオール(DIOR)」はこのほど、2026-27年秋冬メンズ・コレクションを発表した。
最新コレクションを象徴する存在として会場には、ディオール ジャパン アンバサダーを務める俳優の横浜流星と北村匠海、ディオール ビューティー アンバサダーで俳優の吉沢亮の3人も来場。第一線で活躍しながら、ファッションに対しても独自の審美眼を持つ彼らは、「ディオール」の世界観をどう読み取り、どう共鳴したのか。コレクションから受け取ったムードやスタイルの変化、そして自身の表現との接点について、ショー直後に語ったコメントから、今季の「ディオール」が提示するメンズウエアの現在地を浮かび上がらせる。なお、本企画ではショーにも来場した写真家・奥山由之による、パリの街を舞台にした3人の特別なシューティングも実現した。そのビジュアルは、後日公開予定だ。
「理想の俳優像と重なる
クリエイティブの余白」
それに照明や音楽、動線に至るまで緻密に計算された演出が印象的でしたね。世界観の一部として“そこに存在している”ようなモデル。服を通して物語や感情を体現する、まさに“演じる存在”なのだと刺激を受けました。アンバサダーを務めて6年目になりますが、これからもジョナサンが生み出す「ディオール」の美意識や魅力をショーで感じた熱量そのままに日本の皆さまへ届けていきたい。その想いと責任感が今回のショーを通してより一層強くなりました」。
「圧倒的な意志を感じた
新たなショー体験」
新しさと彼らしさが見事に共存していたし、俯瞰でショー全体を眺めているような感覚があって、強い没入感がありました。肩肘張らず、ラフに着られるけれど確かな意志がある。そのバランスが心地よかったですね。何より、今回のショーに触れて、ファッションが好きなのだと再認識しました。音楽やカルチャーへの向き合い方にも変化があって、高校生の頃に服に夢中になった感覚に少し近づいているような前向きな変化をもたらしてくれたショーでした」。
「日常を感じさせながら
挑戦を示す新たな表現」
今回の『ディオール』は、これまでよりもカジュアルで軽やかな側面が際立ちながらも、同時に非常に挑戦的な印象を与えていました。スパンコールや装飾的なディテールといった、一見すると奇抜に映る要素も、決して非日常に寄りすぎることはなく、むしろ日常のスタイルに自然と取り入れたくなる現実感があったのが印象的です。その絶妙なバランス感覚から、ブランドが新たなフェーズへと進んでいることを感じました。ジョナサンによる『ディオール』は、親しみやすく、肩の力を抜いて楽しめる存在のように思います。着る人に寄り添い、自然体の自分を肯定してくれるような、その穏やかな余韻が深く心に残りました」。
伝統や性差を越境する
次代に繋がる貴族美
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ジョナサン・アンダーソンが手掛ける初の「ディオール」の秋冬・メンズコレクションは、ロダン美術館の特設会場で発表した。物語の起点となったのは、パリ・モンテーニュ通りの「ディオール」ブティック近くにあるポール・ポワレの名を刻む記念碑。20世紀初頭にコルセットを廃し、流動的なフォルムと異文化の視線で時代を切り開いたポワレの精神を、「ディオール」の豊かなアーカイブと重ね合わせ、若々しい“現代の貴族像”を描き出した。
ショーにはスパイクヘアにスパンコールをまとったモデルが登場し、パンクな空気感を漂わせながら幕を開けた。象徴的なのは、1948年のドレス“カプリス”に由来するラップスカートやオリエンタルなムードを帯びたスパンコール刺しゅうが施されたテキスタイルだ。ボリュームを強調したシルエットは身体を包み込むように構築され、同系のブロケードは、シアリングスリーブを備えたロングコートにマントのように重ねて装飾性を強調した。ファーのフィールドジャケットやパファーのロングコートによるコクーンシルエットも今季の鍵となる一方、クロップド丈の“バー”ジャケットはネルシャツと、テールコートはニットと合わせるなど、格式を軽やかに更新。ビジューで作られたエポーレットやメンズ用メダリオンモチーフのボタンなどの提案を通じ、性差や伝統の境界を鮮やかに横断してみせた。
クリスチャン ディオール
0120-02-1947