ファッション

“ハイとローの余白”を再定義 「フレッドペリー」とのコラボで立ち返るクリス・ヴァン・アッシュの原点

「フレッドペリー(FRED PERRY)」は、デザイナーのクリス・ヴァン・アッシュ(KRIS VAN ASSCHE)との初のコラボレーションコレクションを発表した。ユースカルチャーの“ユニホーム”を再解釈し、スポーツとストリートの文脈を持つ「フレッドペリー」の定番を再構築した全12型で構成。象徴的な“フレッドペリー シャツ”には、赤ボディーにクリス本人が撮影した花の写真を用いた3種のピンバッジを配し、ピンストライプのトラックスーツやブレザー、ハイブリッドなスエットシャツ、キャップなど、テーラリングとスポーツの境界を軽やかに横断するラインアップに仕上げた。

ローンチを記念してフレッドペリーショップ 東京で開催されたパーティーのために来日したクリスは、今回のコラボレーションについて「ある意味で原点に戻るような感覚だった」と語り「これまでラグジュアリーブランドのコレクションなどを手がけてきたが、ムードボードには常に『フレッドペリー』のイメージがあった。今でもスポーツやストリート、ユースやサブカルチャーへの憧れは変わらないし、『フレッドペリー』は、その象徴でもある」と位置付けた。

学生時代から親しんできたブランドのヘリテージは、極めて個人的な記憶と結びついている。「ポロシャツとシックなテーラードスタイルの間のような“ハイとローの関係性”は、これまでの自分のキャリアの一貫したテーマだ。ラグジュアリーとストリートの間にある余白こそが、創造性を刺激する」と強調する。

コレクションでは、その思想をより明確なプロダクトに落とし込んだ。「トラックスーツを、 スーツに、ポロシャツをシャツに近づける」という言葉遊びのような発想から、ピンストライプを配したトラックスーツや、ブレザー感覚のポロシャツなど、スポーツウエアとテーラリングの境界を探るアイテムが誕生した。「以前はハイカルチャーの視点からストリートを見ていたが、今回はサブカルチャーをエレガントへと引き上げることが刺激的だった」と語る。

デザインの着想源となったのが、ロンドンで目にした「フレッドペリー」のアーカイブだ。クリスは「中でも強く印象に残ったのが、ビンテージニットに使われていたフラワーモチーフ。アーカイブ全体を見ても花柄は1点だけで、だからこそ特別だと感じた」と振り返る。その特別性に着目し、花はオリジナルの白黒表現から離れ、自身の解釈で再構築。ピンバッジとして象徴的に用いられている。「もしファッションデザイナーになっていなかったら、花屋になっていたかもしれない。花も服も、生活に必須ではないが、日常を美しくしてくれる本質的なもの」と結んだ。

素材選びにおいては、「ピケ素材は『フレッドペリー』のDNA」と語り、その強みを壊さないことを重視。「ブランドが得意とする素材や技術に、自分のデザインを重ねる。その“出合い”こそが、コラボレーションの価値」という全12型のミニマルな構成についても、「1つひとつが完璧である必要があった。どれかが欠けても成立しない、すべてがキーアイテムだ」と自信をのぞかせた。世代を超えて継承されるユースカルチャーの本質と、エレガンスへの欲求の両立を体現したコレクションは、「フレッドペリー」の新たな一章を示すものとなりそうだ。

問い合わせ先
フレッドペリーショップ東京
03-5778-4930