サステナビリティ

“いつものお弁当”から食の未来を支える 「ほっともっと」が描く環境とのつながり

プレナスが全国展開する持ち帰り弁当チェーン「ほっともっと」は、“ニッポンのお弁当を、愉しく。”をテーマに、長年にわたり食の現場に根差した視点で持続可能性と向き合ってきた。その取り組みの中心にあるのが“ごはん”だ。お米やおかずの原料、プラスチック容器に至るまで、弁当に関するあらゆる要素を見直しながら、日々のオペレーションの中で環境配慮を行ってきた。その積み重ねが、環境や社会との関係性を形作っている。

食を起点に広がる
5つのSDGsアクション

「ほっともっと」は、毎日の食事を安定して届けることを、社会にとって重要なインフラの役割と捉えている。全国に2425店舗(2026年1月末現在)を展開し、日々多くの食事を提供する存在だからこそ、食を起点にしたサステナビリティのあり方を、事業の中で考え続けてきた。「ほっともっと」が取り組むSDGsは、単一のテーマに集約されるものではない。環境への配慮から農業や地域との共生、資源循環、人や次世代との関係性まで──複数の領域を横断する視点から、食と社会の関係を見つめ直している。その考え方は、原材料の選定から調理、提供、さらにはその先に広がる社会との接点にまで及んでいる。

こうした取り組みの根底にあるのは、“続けられるかどうか”という基準だ。「ほっともっと」は、サステナビリティを特別な活動として切り離すのではなく、日々のオペレーションの中に無理なく組み込み、全国の店舗で同じ水準で実行できる仕組みとして設計してきた。“できることを、続ける”。「ほっともっと」が描くSDGsとの向き合い方は、派手な宣言ではなく、日常の積み重ねによって社会と向き合っていく姿勢そのものである。

容器の見直しが支える、日常と未来
気づかぬ工夫を積み重ねて

同社は、弁当に使用するプラスチック容器の見直しを積極的に進めている。22年にはおかず容器、23年に丼容器、24年にサラダ容器と、用途や提供シーンに応じて設計を見直し、素材の統一や機能性の向上など、段階的に更新を重ねてきた。

例えば22年に見直したおかず容器は、容器とフタの素材を統一したことでリサイクルが容易になり、プラスチック使用量を年間約3700トン削減。従来比で約20%の使用量削減を実現した。丼容器は、従来2種類あった容器を1種類に集約することでプラスチック使用量を抑え、年間約911トンの削減に成功している。また、サラダ容器は、従来のバイオプラスチックから再生原料を80%使用した容器へと切り替えた。これにより、プラスチック使用量を年間約27トン削減したほか、再生プラスチックの活用により資源循環と二酸化炭素排出量削減にもつなげている。

ごはんから始まる循環のストーリー
環境と農業を支える1杯

「ほっともっと」の弁当において欠かせないのが、年間約4万トンを扱う米の存在だ。使用している“金芽米”は、白米に精米する段階で米ヌカとして取り除いていた糊粉層と胚芽の一部を、特殊な精米技術で残した無洗米だ。炊飯時の節水に加え、研ぎ汁に含まれる全リンや全窒素といった汚濁物質の排出を抑えることで、水質汚濁の抑制にもつながる。また、調理工程で発生するエネルギーも少なく、作業の効率化に寄与するほか、年間2480トン(東京ドーム約1個分に相当)の二酸化炭素削減(※)を実現している。日常のオペレーションを支えながら、環境負荷の低減を両立してきた米だ。

さらに同社は、米づくりの現場にも目を向け、日本の農業や田の維持という課題と向き合ってきた。田は、食料を生み出す場であると同時に、水を蓄え、地域の生態系や風景を守る役割を担っている。米を食べ続けることは、そうした環境や文化を次の世代へつないでいく行為でもある。1杯のごはんから広がる循環。その考え方が、事業の根底に静かに息づいている。

※CO2削減量1kgあたり500Lとして換算
※CO2削減計算根拠:日本調理科学会誌掲載論文「無洗米、普通米の製造・利用におけるライフサイクルCO2排出量」より

エビフライから空の燃料へ
廃食用油を回収・リサイクル

また、日揮ホールディングスが主導する、使用済みの揚げ油を持続可能な航空燃料“SAF(Sustainable Aviation Fuel)”へと再生するプロジェクト「Fry to Fly Project」にも参画している。現在は神奈川県の全店舗と、熊本県、宮崎県、鹿児島県の一部店舗、計130店舗の「ほっともっと」の厨房から出る廃食用油を回収し、新たなエネルギーとして有効活用している。廃食用油から製造される航空燃料は、従来の航空燃料と比べて二酸化炭素の排出量を約80%削減できるとされている。「ほっともっと」の運営会社であるプレナス全体では、年間約510トンの廃食用油をリサイクルし、年間約1275トンの二酸化炭素削減に貢献している見込みだ。日々の調理工程の延長線上で、資源循環と環境配慮型社会の実現を目指す。

その他、食品廃棄物の抑制にも取り組んでおり、使用する食材を見直し、調理過程で出る食材の一部を別のおかずに再利用する工夫を行うなど、廃棄量の削減を進めている。

ILLUSTRATION : MIKIKO  YAMAZATO
TEXT : YUKO HOMMA
問い合わせ先
ほっともっと HMマーケティング部
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