ファッション

自然と共に遊び、学ぶ ゴールドウインが富山で描く「PLAY EARTH PARK 」構想とは?

ゴールドウインは富山県南砺市の約40ヘクタールの敷地に、多様な原体験を提供する“未来のネイチャーパーク” 「Play Earth Park Naturing Forest(以下、Play Earth Park)」 を開く。開業予定は2027年初夏。子どもから大人まで自然と遊び・学びを通じて感性を育む場として、「ガーデンエリア」「パークエリア」「フォレストエリア」の3つのエリアを中心に、複数の建築物と体験空間で構成する。

自然観察から遊び、宿泊、飲食、物販まで多彩な体験を創出するべく、国内外8組の設計者と協業。同社にとって初となるこの大規模開発事業は、21年より掲げる「Play Earth」コンセプトの実現を目指す。

「Play Earth(=地球と遊ぶ)」は、同社が「コトづくり」と「環境づくり」を横断して展開するプロジェクトだ。ワークショップや自然体験といった“コト”を起点に、人々の暮らしや子どもの感性へと視点を広げ、衣食住休遊知美をつなぐ体験価値を描いている。飲食や宿泊まで含めた場づくりは、自然と過ごす時間そのものをコンテンツへと昇華する試みであると同時に、環境負荷を抑える取り組みやエネルギーの循環、地域との共創という大きなチャレンジも担っているという。ここでは、現在進行形で開業に向けて進む「Play Earth Park」の魅力を、「Play Earth」の具体的なプロジェクト事例を交えてひもとく。

27年初夏に富山県南砺市に開業する
「Play Earth Park Naturing Forest」

ゴールドウインに通底する哲学のひとつに、「自然から学ぶ」という姿勢がある。自然の原理に学び、人がアウトドアで遊ぶためのウエアやギアを開発し、自然と向き合うアスリートの声を製品づくりへと還元してきた。

その思想を“場”として具現化する拠点として選んだのは、創業の地である富山だった。「Play Earth Park」の舞台となる富山県南砺市は、山と海、川、平野が連なる豊かな自然環境の中で、人と自然がバランスを取り合い寄り添って生きる「土徳」という考え方が根付く土地でもある。

「Play Earth Park」の拠点は桜ヶ池エリアに位置し、23年から南砺市と連携して周辺開発を推進。すでに24年秋から事業用地内で試験植栽を始めており、四季の変化がはっきり感じられる富山の気候のもと、植物の生育や環境条件を実地で検証している。自然を理解し、対話を重ねながら環境を育てていく姿勢がこのプロジェクトの根幹にある。

自然に触れ、子どもも大人も
好奇心や探究心を広げる

「Play Earth」は子どもの「遊び」と「学び」を切り離さず、自然に触れる体験そのものを成長のきっかけとして設計している。その具体例が、子ども向けワークショップイベント「Moth Hunt Club(モス ハント クラブ)」だ。日常で見かける身近な昆虫の蛾にフォーカスし、夜の森での採集と標本制作、リサーチを専門家とともに行うことで、命の多様性や美しさに向き合う体験の場を作った。

参加した子どもたちからは「最初は怖かったけれど楽しくなった」「こんなに蛾の種類が多いことを初めて知った」といった声が寄せられ、保護者からも「子どもの興味関心と成長に驚いた」「この機会がなければ知ることができなかった世界に触れた」と反響があったという。遊びの延長線上で気づきと学びが深まり、子どもたちの探究心や好奇心をさらに広げる豊かな体験設計こそが、「Play Earth」ならではの独自の価値となっている。

日本初の環境認証取得を目指す
リジェネラティブな取り組み

「リジェネラティブ」とは直訳すると「再生」。自然環境が本来持つ生成力を活かしながら、社会や生態系をより良い状態へと再生・循環させていく考え方だ。「自然から学ぶ」という哲学を事業として具現化する「Play Earth Park」は、この思想を環境開発のスケールで実践する。

40ヘクタールに及ぶ広大な土地を舞台に掲げるテーマは、「自然環境の再生」と「世界中から人が訪れる賑わい」という、一見すると相反する二つの要素の両立。その象徴的な存在が、施設の中心となる複合施設「プラザ」だ。

煙突がシンボルのプラザ棟は、「ガーデンエリア」「パークエリア」「フォレストエリア」をつなぐ玄関口として機能し、約15mの高低差を活かしたダイナミックな構成が特徴。訪れる人が自然との関係を五感で実感できる場を目指す。自然の構造に学び、最小限の素材で最大限の効果を引き出す木造建築で、内装や家具には富山県産木材を活用する。雨水利用やソーラー発電のほか、地域資材を再利用することによって環境負荷を抑え、日本初となる「リビング・ビルディング・チャレンジ(Living Building Challenge以下、LBC)」取得に挑む。

「LBC」とは、建築が植物のように機能し、エネルギーや水を循環させながら生態系を豊かにする「再生」を目指す、世界で最も厳格な環境認証制度の一つ。建物完成後も、実際の運用を通じて1年間にわたる審査が求められる。商業施設としての魅力と最高レベルの環境性能を両立させる、同社にとって前例のない大きな挑戦だ。

地球と遊び
衣食住休遊知美を体験できる

人と自然の新たな関係性を探求する未来のネイチャーパーク「Play Earth Park」。その世界観を体感できるもう一つの要素が、建築を通じた体験作りだ。国内外で活躍する8組の設計者が、各エリアの特性を生かした空間と体験をデザインしている。

「ガーデンエリア」は、世界的ガーデンデザイナーのダン・ピアソンと高野ランドスケーププランニングが、四季の移ろいを感じられるナチュラリスティックな庭園を計画。多様な植物が共生する風景の中で、自然そのものの美しさを五感で味わえる空間を目指す。

3つのエリアをつなぐ玄関口「プラザ棟」は、川島範久建築設計事務所による設計。環境負荷を抑えた木造建築の中にショップやデリを備え、人が集い自然と出会う拠点となる。前述のとおり国内初となるLBC取得に挑む、プロジェクトの象徴的な建築だ。

「フォレストエリア」では、リナ・ゴットメ・アーキテクチャによる展望台やコテージが点在。高台から砺波平野を見渡したり、地下で土中の世界を観察したりと、自然の不思議を多角的に体験できる。

さらに「パークエリア」では、萬代基介建築設計事務所が地形を生かした遊びの建築を計画。シンボリックな周遊できる円形の遊び空間が出迎える。イギリスの建築家コレクティブで建築家として初めてターナー賞を受賞したアセンブルによるキャンプサイト、新素材研究所によるヴィラ、本瀬齋田建築設計事務所によるアクティビティセンターなどが加わり、自然・遊び・生活を横断する体験を創出する。多様な設計者の視点を重ね、衣食住休遊知美にわたる体験価値を編み上げていく。

TEXT : CHIKAKO ICHINOI
問い合わせ先
ゴールドウイン カスタマー サービス

0120-307-560