「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」 の2026-27年秋冬メンズ・コレクションは、この複雑な現代社会で闘う男性たちを静かに鼓舞する応援歌のようだった。山本耀司デザイナーは今季、ミリタリーと土や泥にまみれる仕事から着想。“プロテクティブ(保護的)”な服の役割に目を向け、体と心を守る服のあり方を探求した。
ショーは中島みゆきの「ファイト」のカバーで幕を開け、モデルたちはゆっくりと歩きながら、ランウエイの中間に設置された2つのパンチングボールに向き合う。それを拳や手の平で叩いたり、そっと撫でたり。敬意を込めてお辞儀をしたり、額を当てたりする姿も見られた。
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コレクションは、体を包むようなゆったりしたシルエットのアウターが充実。メタルボタンを配したオフィサーコートやピーコートからフィールドジャケット、ダッフルコート、薄いパディングを入れたワークジャケットまでがそろう。アウター2着をレイヤードした着こなしも多く、そこにボイラースーツ(つなぎ)やベルトで裾を絞ったパンツなどを織り交ぜた。素材は、重厚なメルトンウールや温かみのあるフランネル、コーデュロイから、アブストラクト柄の生地や液体のような光沢のテクニカル素材まで。中盤にはビジネスマンにとっての“鎧”とも言えるスーツスタイルも登場した。
最後に披露したのは、黒い無地のコートにクラシックなヘリンボーンやチェック、ピンストライプなどの端切れをランダムにパッチワークした3体のルック。ところどころが剥がれ落ちたようなデザインには、たとえ傷ついてボロボロになっても諦めないという不屈の精神が込められているように感じられた。