PROFILE: 芝田崇行/社長

スピックは、主力のサプリメント「リポシー(LYPO-C)」を軸に、ジムやサロン、クリニックの運営を通じてパーソナルケアを提案する。ブランドを代表する“リポ・カプセル ビタミンC”は発売から10年を迎え、サプリメントの枠を超えた体験型ウェルネスブランドへと進化。2025年は海外展開を加速させるとともに、スポーツやスキンケアといった周辺領域にも事業を拡張した。今年はユーザーとの直接的な接点を増やし、新規客の獲得に注力する方針だ。
医師と共創する“体験型ウェルネス”の現在地
WWD:2024年に海外事業部を立ち上げたが、昨年の海外展開をどう振り返る?
芝田崇行社長(以下、芝田):24年は、東南アジアを中心に海外展開を本格化させた年だった。25年には、台湾、タイ、フィリピン、シンガポールをはじめ、各国の医療関係者から非常に前向きな反応を得られた。「製品を扱いたい」という声以上に、その先にいる患者や生活者の健康課題について、各国の医師と深い対話ができたことが大きな収穫だった。国ごとに求められる“体験”は全く異なる。だからこそ、短期的な販売拡大を目的にするのではなく、医師と共に学びながら、その国に合った“健康体験”をどう届けるかを重視している。
WWD:昨年8月には、シンガポールのウェルネススパチェーン、ケンコーホールディングスを買収した。
芝田:医療規制が厳しい同国においては、医療ではなく“健康”の領域からアプローチすることが重要だと考えた。今年は新店舗の出店も計画しており、生活者と直接つながる体験接点を増やしていく。現在正式に製品を展開しているのは台湾、シンガポール、韓国だ。フィリピンではクリニックでの体験導入や現場での評価が進んでおり、現地当局に販売許可を申請中だ。これらの許認可が前進してくれば、各国の医師のニーズに応える体制を整えられるはずだ。海外代理店からの関心も高まっており、1〜2カ国で新たな商流開拓も視野に入れている。
WWD:「体験・体感」を重視する理由は?
芝田:「リポシー」はクリニックやエステサロンを中心に、医師や美容の専門家から提案いただく形で広がってきた。だからこそ、まずは現場で実際に試してもらい、体調の変化や実感を得ていただくことが欠かせない。その体感があって初めて、患者や生活者への提案に説得力が生まれる。論文や数値だけではなく、専門家自身が“自分ごと化”して勧められるかどうかが重要だ。日本市場で成果を上げてきたこのアプローチは海外でも有効だと考えている。
WWD:25年は新製品の投入も相次いだ。スポーツ領域に特化した「リポシー フォー スポーツ(LYPO-C FOR SPORTS)」を開発した背景は?
芝田:アスリートにとって、体調管理はパフォーマンスに直結する。既存の「リポシー」を愛用してくれている選手も多かった一方で、ドーピング判定のリスクを懸念する声もあった。サプリメント業界として、“アンチドーピング”というテーマにどう向き合うべきか。その姿勢を示すために開発した。特定ロットを第三者機関で検査し、アンチドーピング認証を取得した製品のみを展開している。資格剥奪が将来を左右しかねないジュニア世代や、大会を控えるアスリートにとって、安心して選べる選択肢を用意することには大きな意味がある。発売以降、アスリートとの対話も深まり、将来的には協業や共創による製品開発も検討している。
WWD:10月には、スキンケアブランド「リポシー スキンビューティ(LYPO-C SKINBEAUTY)」を発売した。
芝田:誘導体ではない“ピュアビタミンC”をリポソーム化し、安定化させることが最大の課題だった。3年の開発期間を経て、その壁を乗り越えられたことで発売に至った。内側から肌をサポートする「リポシー」と同じ思想で、外側からもアプローチする。現場での評価が広がり、25年末までに22件のベストコスメを受賞した。10年目を迎えた「リポシー」にとって、一つの到達点になったと感じている。
WWD:25年の業績は?
芝田:24年に続き、増収を達成した。主力の“リポ・カプセル ビタミンC”に加え、昨年から本格展開している“リポ・カプセル ビタミン C+D”が成長をけん引した。ビタミンD不足への社会的な関心が高まり、「Cを取るならDも一緒に」という意識が浸透してきたことが追い風になった。
WWD:26年に注力することは?
芝田:ただ製品を増やすのではなく、プロフェッショナルと連携しながら、確かなウェルネス体験を届けることを重視している。今年は百貨店や商業施設でのポップアップを積極的に行い、ユーザーとの直接的な接点を通じて新規客の獲得に注力する。私たちが大切にしているのは、ウェルビーイングを概念として語ることではなく、製品を通じて実際に体感される幸福や満足度だ。今後も医師や美容、ウェルネスの現場と連携し、その先にいるユーザーの実感に寄り添う製品作りを一貫して続けていく。
個人的に今注目している人
藤田晋さん
同い年の経営者ということもあり、以前から注目してきたが、後継者を定め、次のステージへとかじを切る姿勢に強い刺激を受けている。今年、当社でも30代の若手に新製品のブランドマネジメントを任せた。思想を継承しながら成果を出せたことは、大きな手応えとなっている。企業の将来や次世代の成長をどう支えるか。日本、そして海外を見据えながら、世代を超えて成り立つ経営を考え続けていきたい。
1972年に建築設計事務所として創業。デザイン設計の思想を生かし、77年に美容室やクリニック向けの経営コンサルタント事業を開始。2015年に主力サプリメント「リポシー」を発売。「未来の健康を、つくる」を使命に、パーソナルな健康づくりをサポートする。サプリメント事業のほか、ジムやサロン、クリニックの運営、人材育成、予防医療を社会に浸透させるための環境整備にも注力している。社名は“Style”“Personal”“Image”“Creator”の頭文字に由来する
「リポシー」カスタマーサポート
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