
2026-27年秋冬メンズ・ファッション・ウイークにおける最大の話題は、やはり「エルメス(HERMES)」のメンズを37年にわたり手掛けてきたヴェロニク・ニシャニアン(Veronique Nichanian)のラストショーだった。1月24日夜、パリ旧証券取引所で披露されたコレクションで表現したのは、「Clothes for today and forever(今を生きる服、この先を歩む服)」。それは決して派手ではないが、変化の激しい時代におけるラグジュアリーの本質を問いかけるものだ。(この記事は「WWDJAPAN」2026年2月2日号からの抜粋です)
ラグジュアリー低迷、社会不安で
普遍的なワードローブに光
ランウエイに登場したのは、上質なレザーを用いたクリーンなシルエットのコートやパンツを筆頭に、シアリングのフライトジャケット、鮮やかな差し色で彩ったテクニカルシルクのアウター、ピンストライプの端正なスーツ、グラフィカルなセーター、遊び心を感じるバッグといったアイテム。今回、ニシャニアンは過去のコレクションのパターンやデザインも取り入れたが、ノスタルジーに陥ることなく、あくまで現代男性のライフスタイルに寄り添う洗練された装いを貫いた。時代の空気感や顧客のニーズをくみ取りながら現実的なクリエイションを積み重ねてきたその姿勢は、彼女に全幅の信頼を寄せ、創造の自由を与えてきたメゾンの価値観とも共鳴。いつものようにチャーミングな笑顔でフィナーレに登場した彼女をたたえる歓声と拍手は、しばらくやむことはなかった。
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