
次世代のファッション・ウイークを担う6都市を「WWDJAPAN」が選定。事情に詳しい専門家が、それぞれの特徴や展望について解説する。(この記事は「WWDJAPAN」2025年11月17日号からの抜粋です)
街全体で北欧デザインとカルチャーを発信
ビッグ4に続く“第5のファッション都市”として注目を集めるコペンハーゲン・ファッション・ウイーク(以下、CPHFW)は、来年で20周年を迎える。もともとはトレードフェアを軸に北欧ブランドの商業的な発表の場として機能してきたため、インターナショナルゲストをひきつける力は限定的で、地域色の強いマーケット志向のイベントと見なされていた。国際的な評価が高まり始めたのは、財団法人コペンハーゲン・ファッション・ウイークのセシリエ・トースマーク(Cecilie Thorsmark)最高経営責任者(CEO)の改革により、戦略的なアップデートが進んだ2018年頃から。ファッション・ウイークそのものを社会的メッセージの発信装置に変えるという、大胆な方向転換を打ち出した。まず彼女の主導で導入した「サステナビリティ・アクション・プラン」は、製造過程や素材選定、サプライチェーンの透明性など、参加ブランドに明確な基準を課すもの。世界的にサステナビリティへの意識が急速に高まっていた時期でもあり、その追い風を受けて、基準を満たさないブランドの参加を認めないという厳格な姿勢がCPHFWへの信頼を確固たるものにしている。さらに若手支援プログラム「ワン・トゥ・ウォッチ(ONE TO WATCH)」や「ニュー・タレント(NEWTALENT)」が整備され、新鋭ブランドとバイヤー、メディアとの接点がより有機的に生まれるように。こうした取り組みを通じて、CPHFWは最もサステナブルなファッション・ウイーク、さらに若手発掘の拠点としての地位を確立しつつある。
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