
「WWDBEAUTY」は、2009年から「ベストコスメ特集」を掲載している。弊紙のベスコスの特徴は、全国の百貨店・セミセルフ、ドラッグ&バラエティーストア、ECへのアンケートを基に、売り上げの上位3位を集計しランキング化していること。今期は46店舗の協力の下、25年7〜12月に発売したニュープロダクト(新商品)と、これまでに発売された全商品を含むヒーロープロダクト(総合)に分け、ベスト3を表彰する。さらに、有識者の分析やブランドへの取材からヒットの背景を探った。
「分かりやすい言語化」が購買を後押し
25年下半期の百貨店では、機能や効果を「直感的に理解できる」商品が強い存在感を放った。技術や研究の高度化が進む一方、消費者は成分や理論を読み解くよりも、“何がどう良くなるのか”を瞬時にイメージできる分かりやすさを重視する傾向が強い。スキンケアでその成功例となったのが、「エスト(EST)」の“ナーチャリング クレンジングセラム”だ。「摩擦レス」という端的な表現と、滑らかな使用感を想起させるビジュアルは、使用前から心地よさと肌負担の少なさを自然にイメージさせた。同様に、「ハリの頂点」を掲げた「SK-II」の“スキンパワー リニュー クリーム”も支持を集めた。研究背景の厚みをシンプルなキーワードへと落とし込み、ビジュアルやカウンセリングと連動させることで顧客の納得感を高めた。
メイクアップも「分かりやすさ」がポイント
メイクアップでは、「艶」の解釈が進化した。「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」の“YSL ラブシャイン グロスプランパー”が打ち出した「ゼリー艶」は、みずみずしさと立体感を一言で想起させた。SNSや店頭でも世界観を表現し、ネーミングと視覚表現が購買行動に好影響を与えた。さらに、テクニック要らずの色を選ぶ流れも一段と顕著になった。「コスメデコルテ(DECORTE)」の“スキンシャドウ デザイニング パレット”は、百貨店の新商品1位、総合2位、ECの新商品1位を獲得。使いやすさがひと目で分かる色設計を、明快なキャッチコピーやカウンセリングを通じて丁寧に伝えたことが奏功し、「派手さよりも完成度重視」の顧客ニーズを的確に捉えた。