
2026年2月6日からスタートするミラノ・コルティナ冬季オリンピック・パラリンピック。競技や選手たちの活躍はもちろんのこと、それぞれの国を象徴するデザインを取り入れたウエアにも注目だ。特に冬季五輪は防寒や体温調整、動きやすさなどの機能性とデザイン性を両立させたアイテムが多い。ここでは各国代表が着用するユニホームを随時紹介していく。
【日本】
アシックス、ゴールドウイン

8年ぶりの冬季五輪のウエアは“パフォーマンスとサステナビリティの両立”がテーマ
「アシックス(ASICS)」が冬季五輪のウエアを手掛けるのは8年ぶり。コンセプトは、パリオリンピック・パラリンピックに引き続き“パフォーマンスとサステナビリティの両立”で、コンディショニングとサステナビリティ、ダイバーシティという3つのテーマで開発した。また、メインカラーは前回大会と同じく“チームジャパン レッド”と“サンライズレッド”を組み合わせたグラデーションで、日本の伝統的な流水文様をベースに選手の芯の強さを表現したオリジナルグラフィック“RYUSUI”を落とし込んでいる。

スキー日本代表チーム「SNOW JAPAN」のユニホームを提供
全日本スキー連盟とのオフィシャルユニホームサプライヤー契約に基づき、スキー日本代表チーム「SNOW JAPAN」のモーグル・スキークロス・エアリアルの選手が着用するオフィシャルユニホームは「ゴールドウイン(GOLDWIN)」が提供する。新たなユニホームは選手からの意見やフィードバックをもとに、見映えや出来栄えが勝敗を左右する競技特性に合わせて多機能かつ審美性を兼ね備えた。戦国時代の武将からインスピレーションを得て作られた色「紅辰砂(べにしんしゃ)」を採用している。
【イタリア】
エンポリオ アルマーニ

スポーツライン「EA7 エンポリオ アルマーニ」で自国開催の冬季五輪を彩る
「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」のスポーツライン「EA7 エンポリオ アルマーニ(EA7 EMPORIO ARMANI)」を着用するイタリア代表。「エンポリオ アルマーニ」とイタリア代表の縁は2012年のロンドン五輪から始まり、今回で夏冬7大会連続の提供となるほか、22年からはイタリア冬季スポーツ連盟(FISI)のオフィシャルテクニカルアウトウエアとのコラボレーション契約も結んでいる。今回の公式ウエアはクリーンなライン、高機能素材、イタリアのアイデンティティと誇りを表現するディテールを取り入れ、オリンピック精神と「エンポリオ アルマーニ」のスポーティーエレガンスを体現した。
【アメリカ】
ラルフ ローレン

10大会連続でウエアを手がける協力タッグ
米国代表の開・閉会式ウエアを手がけるのは「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」で、10大会連続となる。開会式のユニホームは、ウィンターホワイトのウールコートに星条旗のウールタートルネックセーター、テーラードウールパンツで構成。閉会式用にはカラーブロックのパファージャケットと国旗の色を反映したカラーパレットのウールタートルネックセータで組み合わせた。いずれも、レッド、ホワイト、ブルーのニット帽とミトン、レザーベルト、赤の靴紐をあしらったアルペンブラウンのブーツでコーディネートする。
【カナダ】
ルルレモン

国の景観や環境を象徴するモダンなシルエットとグラフィックをデザイン
カナダ代表は「ルルレモン(LULULEMON)」。チームの公式アウトフィッターとして、22年北京冬季大会から28年ロサンゼルス夏季大会までの4大会でチームのウエアを手掛けることになっており、今回が3回目となる。さまざまなカナダ人アスリートと協力して競技者ならではのニーズを理解し、体温調節や保温性に優れた素材を使用した。また、パラリンピック選手からのフィードバックを受け、フットウエアや座った姿勢には耐摩耗性素材、点字表記やマグネット式ファスナーなども備えた。デザインは国の景観や環境を象徴するモダンなシルエットとグラフィックをデザインした。トポグラフィックといった地形図のようなプリント、大きな楓の葉のディテールを赤や青、緑のカラーバリエーションで展開する。
ミラノ・コルティナ冬季オリンピック・パラリンピックとは
ミラノとヴェネト州の高級リゾート地、コルティナ・ダンペッツォを中心とした北イタリアで行われる今回の大会は、初めての多拠点型モデルを採用する冬季オリンピック・パラリンピックとなる。イタリアでの冬季オリンピックは過去に2度開催されており、1956年のコルティナ冬季大会からは70年ぶり、2006年のトリノ冬季大会から20年ぶり。また、ミラノでは夏冬通して初めての開催となる。2月6〜22日に行うオリンピックは8競技116種目、3月6〜15日開催のパラリンピックは6競技79種目を実施。オリンピックでは新競技として“スキーモ”の名でも知られる山岳スキーが、パラリンピックでは新種目として車いすカーリングのミックスダブルスが追加された。
競技会場は既存施設を有効活用する。開会式会場となるミラノ・サンシーロ・オリンピックスタジアムはインテル・ミラノとACミランのホームスタジアムでありさまざまな国際試合が行われている“サッカーの聖地”で、開会式の目玉となる国旗掲揚や聖火点灯はミラノ・センピオーネ公園の“平和の門”とコルティナのディボナ広場で実施。選手団のパレードも複数会場で行われる予定だ。
ミラノ・コルティナ冬季オリンピック・パラリンピックのWWD的トピックス
開会式では故ジョルジオ・アルマーニ氏をトリビュート

オリンピック開会式では、ファッション界の帝王で今年10月4日に91歳で逝去したジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)氏のトリビュートが行われる。組織委員会のジョヴァンニ・マラゴ(Giovanni Malago)会長は、「ミラノ市、そしてイタリア全体が彼の功績を称えたいと考えている」とコメントしている。 >>詳細はこちら
“編み物王子”トム・デーリーが英国代表にニットを提供

競技の合間に編み物をする姿から“編み物王子”の愛称で呼ばれた飛び込み競技の元イギリス代表選手で五輪メダリストのトム・デーリー(Tom Daley)氏が、イギリスのメンズウエアブランド「ベン シャーマン(BEN SHERMAN)」と協業しイギリス代表チームのための特別なニットアイテムを制作する。アイテムは、イギリスの国旗ユニオンジャックのカラーで編み上げた手編みのマフラーとニット帽。グレートブリテンの頭文字である「GB」ロゴ、雪の質感や冬の山岳風景から着想した立体的なケーブル編みなど、デーリーらしいユニークで大胆なデザインに仕上がっている。これらのアイテムは、開会式と閉会式で国旗を掲げる旗手が着用する公式アイテムとして採用される予定だ。 >>詳細はこちら