
「CEO特集2026」に登場した25社の経営トップのコメントから今の業界を取り巻く4つのキーワードを抽出した。成長のフロンティアを「海外市場」に求める動きが例年以上に加速している。「AI」は業務効率化だけでなく、商品企画やサービスの中枢へと活用が広がる。既存のアパレル事業とは異なる「新事業」でブレイクスルーを狙う企業も相次ぐ。EC(ネット通販)が浸透した今、新しい「店づくり」を模索する動きも活発だ。(この記事は「WWDJAPAN」2026年1月26日号からの抜粋です)
1. Overseas Market
【 海外市場 】
世界進出が加速
海を渡るセレクトショップが続々
海外進出を加速させる企業が多い。セレクトショップ系企業の動きが活発だ。
今年の最大の注目はビームスによるロサンゼルス出店だろう。日本のセレクトショップ、特にメンズを発祥とする店舗は1970〜80年代にアメカジを日本の大衆に紹介することで発展した。76年創業のビームスはその代表格だ。それが西海岸に「BEAMS」の看板を掲げる。設楽洋社長も「(原宿の)6.5坪のアメリカンライフショップから始めて、50周年で故郷に錦を飾る」と感慨深げだ。来年で退任することを公言する設楽社長は「次の経営陣やスタッフに道を開き、『日本といえばビームス』を目指してもらうための布石を打つ」と述べる。
2025年1月に上海に中国1号店を出したユナイテッドアローズの松崎善則社長は「今年は上海以外への進出も視野に、中国事業を成長に柱に育てていく考えだ」と話す。上海の「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」の1号店では、ラグジュアリーブランドを持つようなアッパー層が来店し、滑り出しは上々。昨年始めた越境ECでは米国からの反応が良いため、海外市場への期待が膨らんでいる。
ベイクルーズの古峯正佳社長は「(ウィメンズの)『ドゥーズィエム クラス(DEUXIEME CLASSE)』は、今後のジャパンラグジュアリーの文脈で欧米を含めた海外で広げていきたい」と語る。同ブランドは昨年11月にパリでポップアップを開き、計画以上の売れ行きを見せた。将来の本格進出を見据えてマーケティング活動を続ける。
オンワードホールディングスは「J.プレス(J.PRESS)」の米国事業を強化する。同社は1986年に米J.プレス社を買収。米国での売上高を2030年度までに現在の10倍に相当する1億ドル(約150億円)に持っていく。実績を持つクリエイティブディレクターを招へいし、「1902年の創業以来で最大の改革を進めている最中だ」(保元道宣社長)と言う。今年はニューヨークとワシントンの路面店を改装し、新規店舗の準備も進める。
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