PROFILE: 田中誠太朗/社長

2019年11月のブランド誕生以来、北海道余市町のワイン用ブドウの成分を活用したヘア&ボディーケアプロダクトを展開し、独自の哲学でビューティ業界に新たな価値を提案し続ける「クロノシャルム」。単に化粧品を販売するだけでなく、上質なホテルとのパートナーシップを通じて「クロノシャルム リトリートツーリズム」という概念を提唱し、顧客の時間を豊かにするためのユニークな取り組みを続けている。
進化する「クロノシャルム リトリートツーリズム」
WWD:2025年の取り組みで印象的なことは?
田中誠太朗社長(以下、田中):私たちが5年間ずっと取り組んできたワイン事業で、シャルドネをローンチできた。ブドウ栽培を行う北海道余市町は海と山に囲まれた温暖な気候で、以前はケルナーのようなドイツ系の品種が主流だったけれど、近年はシャルドネなども栽培できるようになった。オリジナルのシャルドネを展開する直前の夏に、ワイナリーのオーナーが亡くなられて……。そういう意味でも、私たちにとって非常に大きな意味を持つワインになった。
WWD:シャルドネはどう提供されている?
田中:一応価格は設定しているが、積極的に販売はしていない。基本的にはイベントで披露したり、提携しているバーで使っていただいたりという形だ。私たちの原点は、余市のワイン用ブドウの成分に出合ったことから始まった化粧品ブランド。そこからワイン事業にも関わるようになり、私たちがワインの側面からできることは何かと考えたとき、それは地方のワイナリーが抱える課題を解決することだと思った。
WWD:課題とは?
田中:地方に行くと、素晴らしい品質のワインを作っていても、パッケージのデザインが洗練されていなかったり、マーケティングやブランディングにまで手が回っていなかったりするケースが多くある。その部分を私たちが補うことで、総合的に良い関係を築けるのではないかと考えている。
WWD:23年にスタートした「クロノシャルム リトリートツーリズム」に関しては?
田中:改めて説明すると、弊社は宿泊施設に製品を卸して終わりではなく、そこに人を送り出すところまでが、美容領域からの地方創生への取り組みだと思っている。そのため「クロノシャルム」のサイトから、取引先のホテルの予約サイトにアクセスできる導線を設けている。また、宿泊施設とコラボレーションし、応募者の中から抽選で宿泊体験をプレゼントするキャンペーンを実施している。25年は、私たちのパートナーホテルである北海道ニセコの「SHIGUCHI(シグチ)」や、石川県能登島のオーベルジュ「一 能登島」がミシュランガイドで一つ星を獲得した。
WWD:それは素晴らしいニュース。
田中:本当にそう思う。能登で震災があった際には、復興支援の意味も込めて製品の提供や、多くの宿泊権利を購入した。そうした活動が単なる消費ではなく、巡り巡ってホテルの価値が高まり、結果的に私たちのブランド価値にも返ってきていると感じている。総合的なつながりこそが、私たちが目指す「リトリートツーリズム」の核心になっている。
WWD:26年の計画は?
田中:26年は、「クロノシャルム」をグローバルで戦えるライフスタイルブランドにするためのスタートの年。そのための大きな一歩として、ブランドのリニューアルを行う。まず、ボトルを金型から起こした完全オリジナルデザインに変更する。そして、ブランド名を「クロノシャルム」に統一する。これまではライン名である“シグチコレクション”や“ブラマーレコレクション”といった名称が前に出てしまい、「クロノシャルム」というブランド名が伝わりにくいという課題があった。今後は“クロノシャルム エスケープ”“クロノシャルム リコネクト”のように、香りの名前でラインを分けていく。
WWD:新しい香りも登場する?
田中:秋ごろに、新しい香りを販売する予定。これまでの香りはリゾートや自然をイメージしたものだったが、新しく作っているのは、私たちが今後ターゲットにしていく外資系ホテルなどを意識した、より「シティ(都市型)」寄りの香りになる。
WWD:「クロノシャルム リトリートツーリズム」で新たな展開は予定しているのか。
田中:次のステージに進む計画でいる。これまではウェブサイトでホテルを紹介したり、宿泊体験を提供したりしてきたが、今後は私たちが宿泊プランをアレンジして販売していくことを構想している。将来的には「クロノシャルム」を通じて予約することで得られる特典などを用意し、会員制プログラムのような価値を提供していきたい。
WWD:今思い描く「クロノシャルム」の未来像は?
田中:化粧品というカテゴリーにとどまらない、ライフスタイルブランドとして確立させたい。マーケティング優先で拡大する手法は取らず、ブランドの本質的な価値をじっくりと育てていく。そして、海外のラグジュアリーホテルで、日本のライフスタイルブランドが当たり前に使われている、そんな景色を私は見たい。その第一歩となるのが26年だと考えている。
個人的に今注目している人
スキャンダルがなく、叩かれても反論しない。「最近メディアに出ていないな」と思っていると、また次の作品でヒットを出す。全くぶれない。木村さんが売れっ子で在り続けているのは、周りの事務所やメディアが「推す」から。この「推される存在であること」がすごく大事で、自身もブランドもそうでありたいと思っている。
「だからあなたは美しい/so you’re beautiful」をコンセプトに掲げ、美容にまつわる事業を幅広い視野で考えるトータルビューティカンパニーとして2015年に設立。会員制ビューティサロン「リノ801」の運営をはじめ、ヘアメイクサービスの提供、オリジナルブランド「クロノシャルム」の製品開発や製品プロデュースを行う。地方自治体との取り組みに力を入れており、アップサイクルされた成分の使用や、宿泊施設やワイナリーとのコラボレーション、各自治体のふるさと納税への参加などを展開する
リノビューティー
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