
毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年5月19日号からの抜粋です)
伊藤:今回の特集で初めて御殿場プレミアム・アウトレットに行きました。今年25周年で、売上高日本一の商業施設ですよね。
本橋:僕は年に1回以上は訪れているヘビーユーザーです。どうでしたか?
伊藤:三菱地所とサイモン・プロパティ・グループの合弁会社が運営しているので、アメリカンな世界観で統一されているのですが、そこに富士山がなじんでいて、非日常感がすごい。もはやテーマパークです。そこでの時間を純粋に楽しんでいる姿が多かったのが印象的でした。
新規客の入り口として機能
本橋:アウトレットだからといって安さを求めて来る人ばかりではないですよね。僕は今回、軽井沢・プリンスショッピングプラザを取材しましたが、リゾートに来た富裕層も多く立ち寄るようで、「ベイクルーズアウトレットストア」には100万円のビンテージバッグが置いてあったりしました。もちろんお買い得品を求めてくる人も多数いて、「ユナイテッドアローズ アウトレット」は品ぞろえの7割くらいがアウトレット専売ブランド。そこをタッチポイントにして、普通の店舗への来店につなげようという戦略でした。新しいお客さんの入り口なんですよね。もともとゴルフ場だったこともあって、池を生かした水上アクティビティーやドッグパークなど、買い物以外のコンテンツも盛りだくさんでした。
伊藤:御殿場は遊園地の跡地にできた施設で、遊園地時代の橋を生かしたりしていました。
本橋:アウトレット店を見ると、扱っている商品のラインアップで、そのブランドの好不調が分かりますよね。コロナ禍中はすごくいい商品が置いてあってパラダイスでした。最近はハイブランドを中心に価格が高騰していますし、値引きされていても高いと感じてしまい、今回の取材では食指が動かなかったです。客単価もだいぶ上がっているようです。
伊藤:私も大きい買い物をした後だったので、買いたいものを買えず。また行きたいです!