
2026-27年秋冬シーズンの「楽天ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」が3月16日に開幕する。ここでは注目ブランドの各デザイナーに、コレクションのテーマや着想源をヒアリング。ショーの観覧の前にチェックすれば、コレクションがさらに楽しめること間違いなし。
※随時更新
※記載はショーの開始時間
3月16日(月)
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テーマは「WILD, NOT PURE」。美しさとは純粋さだけではなく、野生や揺らぎを含むものだと考えています。整えられた理性の一方で、人は曖昧で衝動的な存在でもある。その矛盾を否定するのではなく抱きしめるように表現しました。ニットという柔らかく可変的な素材を通して、人の内面の揺らぎを描いています。初のショーでは、モデルに裸足で歩いてもらう予定です。クロード・レヴィ=ストロースの著書「野生の思考」や、自身の妊娠という変化を通して、頭で考えるよりも先に身体が「そうなってしまう」感覚がアイデアにつながりました。
テーマは「Fairy land」。分断が進むこの時代だからこそ、甘美で幻想的な世界を提示したいという思いから生まれました。着想源はさまざまな時代の妖精たち。特に、シェイクスピア以前の民間信仰に登場する少し恐ろしげな妖精に惹かれました。ショーでは、その幻想的な世界を体験的に表現します。妖精の鱗粉を思わせる起毛カットジャカードや、蛾やトンボの羽を想起させる素材など、空想的なテクスチャーにも注目してください。
テーマは「ROSA」。新潟にある地下ショッピング空間「ROSA」から着想を得ました。そこは時間が静かに保存されているような場所。過去の記憶と現在が重なり合う独特の空気があります。その静けさやノスタルジーを、色彩や装飾表現でコレクションに落とし込みました。2つのブランドとのコラボレーションも発表予定です。ぜひ楽しみにしてください。
テーマは「Living Sculpture」。もし彫刻が意思を持ち、呼吸しながら内側から形を変えていく存在だったとしたら。止まっているはずの形が、動きや感情によってわずかに歪み、新しい輪郭を獲得していく。変形ではなく、内在する意識が構造を再編するプロセスです。「エンフォルド」が大切にしてきた構造的な服作りを、より立体的に表現しました。今季は、フォルムの緊張と解放、 硬質と柔軟、静止と運動といった対比を内包しながら、 衣服そのものが呼吸するような構造を追求しました。
3月17日(火)
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テーマは特に設けていませんが、着想源は2005年パリ展示会当時のイメージ(貴族の末裔の視点の20年後)の延長。制作の過程で携わる職人の熱量がデザインの細部まで伝わっていること、ディテールや質感やカラーに特に注目してほしいので、間近で作品をみてほしいです。
テーマは「Our Playground」。日常の街も、見方を少し変えるだけで遊び場のように感じられるはず。服を通して、その人の内面がふっと現れる瞬間を作りたいと思っています。レースや裏地を組み合わせた立体表現など、遊び心のある構造もポイントです。ショーはランウエイでもインスタレーションでもなく、観客と近距離で時間と空間を共有する“小劇場”として構成します。
3月18日(水)
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テーマは「Beyond Running」。日常という“誰とも違うロングトレイル”に相応する服を提案するコレクション。人体の構造や動きを想像しながら、計算された歪みを取り入れたテクニカルな構造を設計しました。動きによって生まれる曲線の切り替えや、解釈の余白を残したテキスタイルもポイントです。インスピレーション源は書籍「BORN TO RUN」。走るという原始的な身体の動きをファッションを通して再解釈することで、機能と表現が交わるコレクションを目指しました。
今季はブランドの新たな軸となるラインを発表します。前シーズンで掲げたコンセプト「NEW WORK」の<働くことは生きること。毎日が心地よい新しい日常着>を象徴するライン。自分のものづくりに大きく影響を与えた存在であり、「ズッカ」が目指すモノ作りの哲学と重なる1970年代アメリカの写真表現に見られるアートシーンに注目しました。
詳細はショー当日まで控えさせていただきます。
テーマは大自然に広がる氷の大地「氷原」。果てしなく続く白い大地、澄んだ空気、オーロラの光。静かで力強いその景色をイメージしました。白熊やペンギンのように厳しい環境を生き抜く動物たちから着想を得た素材やディテールを取り入れています。アイスホッケーやスピードスケートのユニホームなど、ウィンタースポーツの要素もデザインに反映しました。アイスリンクのように研ぎ澄まされた真っ白な世界観の中で、ショーをお楽しみください。
コレクションタイトルは「Void」。ギリシャ神話のオルフェウスを着想源に、「死」と「別れ」を描きました。これはブランドを始めた当初から向き合ってきたテーマでもあります。今回はよりパーソナルな視点で表現しました。感情の深い部分に触れるような、静かな物語性を持つコレクションです。またニットやパッチワークなど、ブランドのアイデンティティーを強化しました。
3月19日(木)
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テーマは「Ideal Palace」。これまでブランドの軸としてきたフォルムメイキングに加え、テキスタイル加工など新たなデザインアプローチにも挑戦しました。今回のショーは、ブランドの歩みの中で一つの節目となるシーズン。過去を振り返るためではなく、新しい一歩、新章としての表現を提示したいと考えています。
テーマは「IN MOTION, IN BALANCE」。内と外を反転させ、秩序を再構築することを出発点にしました。私たちは自由でありながら、一定の秩序の中で成長してきました。優しさと強さ、リラックスした感覚と構造的なフォルム。相反する要素が同時に存在するバランスを、服の構造とシルエットで表現しています。ショーでは女性の身体の「重心」とバランスを、空間と動きの中で表現します。
テーマは「LOVE」。混沌とした社会の中で、人の心を支え前へ進ませる力はやはり愛だと感じています。愛とは優しさだけではなく、葛藤や痛み、強さも内包する複雑な感情。その多層的なニュアンスを、色やシルエットの流れで表現しました。ショーではオリジナルで制作したラブソングを、女性ボーカリストがやさしく歌い上げます。
テーマは「Portrait of Her, Unnamed」。名前や役割によって定義される前の存在を描いています。完成された人物像ではなく、まだ輪郭の定まらない状態の肖像。揺らぎの中にあるその姿は、欠如ではなく可能性が開かれている状態だと考えています。今季はオリジナルの生地や新たな刺繍テクニックなど、ブランドとしての新しい試みにも挑戦しました。
3月20日(金)
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インスピレーション源は、文化を繋ぎ、世界へ発信すること。タイでのファッションショーを経験し、文化を尊重しながら共有する価値を強く感じました。日本の着物や藍染め、刺し子といった伝統要素を、世界のテキスタイルと融合させています。文化と文化をつなぐ服作りを目指しました。ショーの赤いランウエイはレッドカーペットをイメージしており、特別な服を身にまとい、自分自身の物語を歩いていくステージを表現しています。
寒い季節だからこそ明るい色を取り入れたいと考えました。機能面だけでなく、精神的な意味でも内側の温かさを感じられる服。色彩の持つポジティブな力をコレクションで表現しています。そのヒントは、新宿に滞在している訪日旅行者やランナーの装い。残布を1本づつ手で裂き、編み上げたハンドニットやカラフルなソックスが登場します。皆さんの日常と私たちの視点が交差して、ランウエイに街並みが浮かび上がるとうれしいです。
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テーマは「Slow Fashion」。SNSの台頭などによって、現代のファッションは視覚的刺激と新しさを求めるスピードの中で消費されていると感じています。だからこそ、少しスピードを落とした時に見えてくる豊かさを服で表現したい。日本の織物文化や素材の魅力を丁寧に伝えながら、ゆっくりと時間をかけて向き合う服作りを提案します。初のランウエイショーということで、今まで使っていなかった新しい素材や仕立てなども採用しています。
今回初めて“柄”を採用します。祖父母の家にあったようなレトロ感のある花柄など。生地屋で初めて見た時はまったくときめかなかったけれど、そのファーストインプレッションが自分の中で離れずにいました。2022年に行った以来のショー形式での発表になります。ここ数年は展覧会などで展示発表してきましたが、久しぶりに人に着せたいと思ったんです。ぜひお楽しみに。