
小高真理デザイナーによるウィメンズブランド「オダカ(ODAKHA)」はこのほど、2026-27年秋冬コレクションをショー形式で発表した。23年に前身ブランド「マラミュート(MALAMUTE)」から改名以降は展示会形式での発表を続けてきたが、今季は「歩いた時に揺れるニットの動きを見てほしい」と3年ぶりにランウエイを開催。東京・神楽坂の東京日仏学院で、20体のルックを公開した。
今季のテーマは「still life」。静物画を意味する用語だが、小高デザイナーはこれを「動く前の状態」として解釈した。「何も起きていないようで、それでも確かに内側では何かが起きている」。そうした目に見えない変化を、体との関係の中で形を更新していくニットの特性に重ねて表現した。
今季を象徴するルックは、タータンチェックの構築的なドレス。スコットランドで目にした伝統的な柄を解体し、立体的に編み上げてニットジャガードに仕立てた。ポリエステル素材で編むことで、段階的に入れたエッジや立体感が動きを強調する。
また、コレクションピースとしてラストに登場したラベンダーのニットドレスは、ホールガーメントで編んだカットスリーブのドレスにハンドニットを重ねた。異なるニットの重なりが造形や重心に変化を生み、固有の動きをもたらす。靴は、3度目となる「スブ(SUBU)」とのコラボレーションアイテムだ。
今季の着想源は、アイルランドとスコットランドへの旅だった。「滞在中に感じた、曇り空に太陽がパーっと差し込んではすぐ消えていく情景」。これを再現すべく、アイルランドで見た石垣を思わせる建築を会場に選択。当日は、穏やかな日差しが差し込み、垂らした紐が揺れ動く中、羊文学の塩塚モエカによるアコースティックギターの音が流れた。
小高デザイナーはニットを「身体に触れ、引き伸ばされ、 動きに応じて姿を変え続ける素材」と表現する。ニットの特性と今季のテーマはいずれも、「固定された答えを提示するのではなく、更新を前提とする」という姿勢に通じる。改名後の現在地を示しつつ、そこに固執せずに揺らぎや変化を許容するブランドの姿勢を印象づけた。
改名にはブランドの海外展開を見据えた意図もあり、「オダカ」は21年に東京ファッションアワードを受賞して以降、パリで展示会を継続して実施してきた。今回も3月に出展予定だ。アメリカやカナダ、香港のバイヤーからの引き合いもあり、定番のフレアスリーブのニットシリーズやコレクションピースに関心が寄せられているという。今後はヨーロッパへの販路拡大も視野に入れており、ショー形式での発表についても継続に意欲を示した。