「ニナ リッチ(NINA RICCI)」は3月11日(現地時間)、ハリス・リード(Harris Reed)=クリエイティブ・ディレクターの退任を発表した。ラストシーズンは、6日にパリで披露したばかりの2026-27年秋冬コレクションとなった。退任の理由は「自身のブランドに専念するため」という。
スペインのプーチ(PUIG)傘下の「ニナ リッチ」は2022年9月、リードを同職に任命。当時26歳だったリードは1996年生まれで、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校(Central Saint Martins, University of the Arts London)を卒業して2年。自身のブランド「ハリス リード」を手掛けていた。「ヴォーグ(VOGUE)」2020年12月号の表紙でハリー・スタイルズ(Harry Styles)のスタイリングを担当したことで一躍注目を集めたのち、1932年創業のメゾン史上、最年少のクリエイティブ・ディレクターとなり大きな話題を集めた。
デビューした23-24年秋冬コレクションでは、黒人プラスサイズモデルのプレシャス・リー(Precious Lee)をファーストルックに起用。直近の26-27年秋冬コレクションでもアシュリー・グラハム(Ashley Graham)を抜擢するなど、リードによる包括的な女性像がメゾンに新しい風を吹き込んだ。またここ3シーズンは、スタイリストでもあるカリーヌ・ロワトフェルド(Carine Roitfeld)=「CR」編集長と協業したり、香水“ヴィーナス(Venue)を発売したりと成果も残していた。
リードは自身のインスタグラムで、「私が『ニナ リッチ』に来たとき、26歳だった。まだ卒業したばかりで独身。自分の足場を見つけながら、少し型破りな声を自信を持って表現する方法を学んでいる最中だった。今は多くを学び、大きく成長したと感じている。大好きな家で、夫(そして犬)とともに人生の次の章へ進み、自分のブランドを新たなステージへ導くことに、とてもワクワクしている。『ニナ リッチ』という旅に関わり、支えてくれたすべての人に心から感謝したい」と語った。
アナ・トリアス(Ana Trias)=プーチ会長は、「ハリスには心から感謝している。彼は着任以来、刺激的で包括的な視点と卓越したクリエイティビティーをメゾンにもたらした。それはメゾンの歴史の中で美しい1ページとなった」とコメントした。後任については発表しておらず、「新たな組織体制については追って発表する」としている。
ベテランから新進までデザイナー交代が続く老舗メゾン
「ニナ リッチ」は香水としても有名なブランドだが、近年では数多くのリードデザイナーが入れ替わってきた。リードの前任は、ルシェミー・ボッター(Rushemy Botter)とリジー・ヘレブラー(Lisi Herrebrugh)で、彼らもまた、自身のメンズブランド「ボッター(BOTTER)」に専念するため退任を発表していた。その前にも、ギョーム・アンリ(Guillaume Henry)やピーター・コッピング(Peter Copping)、オリヴィエ・ティスケンス(Olivier Theyskens)らが手掛けてきた。