「パトゥ(PATOU)」は、7年にわたりクリエイションを率いていたギョーム・アンリ(Guillaume Henry)=アーティスティック・ディレクターの退任を発表した。ギョームの最後の仕事は1月25日に披露した2026-27年秋冬コレクションで、彼の今後は明らかになっていない。しかし、LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON、以下LVMH)グループを離れ、他のプロジェクトに専念するようだ。また同ブランドは、「今後の発展に向け、異なるフォーマットを模索している」という。
1978年フランス生まれのギョームは、フランス北部トロワの美術学校を卒業後、パリのエコール・デュペレとIFMでファッションを学んだ。「ジバンシィ(GIVENCHY)」や「ポール カ(PAUL KA)」で経験を積み、「カルヴェン(CARVEN)」のアーティスティック・ディレクター、「ニナ リッチ(NINA RICCI)」のクリエイティブ・ディレクターを歴任。18年にLVMHが30年間休眠状態にあった「ジャン・パトゥ(JEAN PATOU)」を買収した後、「パトゥ」としてブランドを再生するための舵取りを託された。
19年9月、アトリエでのアットホームなプレゼンテーションで、初のコレクションを発表。スポーティーでシックなシルエットに、フリルやパフスリーブといった可愛らしさやフランス的なエスプリを織り交ぜたスタイルで好スタートを切った。22年7月からはオートクチュール・ウイークの前日という独自のタイミングでショーを開催。「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」や「ムーミン(MOOMIN)」などとコラボレーションや、サブリナ・カーペンター(Sabrina Carpenter)のワールドツアー衣装の制作などを通して、ブランドの裾野と認知を広げてきた。
彼の在任中、「パトゥ」は世界に約100の取扱店を開拓し、早期から支持を得ていた日本や韓国では店舗網を拡大。日本では、20年からグルッポタナカ(GRUPPO TANAKA)がディストリビューターを務めている。
退任に際し、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者の特別顧問であり、ギョームを起用したシドニー・トレダノ(Sidney Toledano)LVMH相談役は、「彼がもたらしたエネルギーに感謝するとともに、今後のキャリアでの成功を祈っている。ギョームはメゾンのチームと共に、『パトゥ』再生の立役者として、7年間にわたり批評家と顧客を魅了する意欲的なコレクションを見せてくれた」とコメント。
一方、ギョームは「この7年間、私を信頼してくれたLVMHグループ、そしてとりわけシドニー・トレダノに感謝したい。『パトゥ』の再生とともに歩めたことを、心からうれしく、また誇りに思っている。この挑戦に参加し、惜しみない情熱を注いでくれた全てのチームに深く感謝している」と述べた。