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「ルイ・ヴィトン」のデザイナー、“反トランプ”を表明 アルノー会長との親交に不快感

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は10月17日、テキサス州ジョンソン郡に「ルイ・ヴィトン」のレザーグッズ用の工房を新たに設立した。オープンを記念する式典にはドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領も出席し、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者(CEO)と笑顔で握手を交わす場面も見られたが、このことが波紋を呼んでいる。同大統領は人種間の対立をあおる“愛国的”な言動や、多様性への否認的な立場で知られているからだ。

 ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)「ルイ・ヴィトン」ウィメンズ・アーティスティック・ディレクターは10月20日、「あらゆる政治的な行動に反対する。私はファッションデザイナーとして、このつながりを拒否する。 #トランプはお笑い種だ #ホモフォビア」と自身のインスタグラムに投稿した。これとともに米歌手イヴリン・トーマス(Evelyn Thomas)が1984年に発表した「ハイエナジー(High Energy)」のジャケット写真も投稿されているが、同曲はゲイクラブでも人気があったという。

 この投稿に対してトランスジェンダー・モデルのテオドラ・“テディ”・クイリバン(Theodora "Teddy" Quinlivan)は、「正しい側に立ってくれてありがとう」とコメントしている。ジェスキエールは最近のショーやキャンペーンにトランスジェンダー・モデルを何人か起用しており、テオドラもその一人だ。なお、「ルイ・ヴィトン」の広報担当者はジェスキエールの投稿に対して「特にコメントはない」としている。今回オープンした工房やその式典について、LVMHおよび「ルイ・ヴィトン」はそれぞれの公式インスタグラムに投稿していない。

 同工房に関する記事を掲載した米「WWD」のサイトには、「もう『ルイ・ヴィトン』の製品は買わない!」「トランプを支持するのは人種差別主義者だけ」と批判的な意見が投稿される一方で、「トランプは雇用を生み出すという約束を守った」という意見も見られた。また、同サイトのインスタグラムへの投稿には現時点で1188件ものコメントが集まっている。インターネット上には「ルイ・ヴィトン」製品の不買運動を呼びかける声もあるが、現在のところあまり広がりを見せていないようだ。

 ファッション界のご意見番アカウント、ダイエット プラダ(Diet Prada)は、トランプ米大統領が今回の式典で「ルイ・ヴィトン」の発音を間違えている様子と、映画「プラダを着た悪魔(原題:The Devil Wears Prada)」に登場する鬼編集長のミランダが「失望したわ。バカみたい」と発言するシーンを組み合わせたジョーク動画をインスタグラムに投稿している。