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「ルイ・ヴィトン」の親会社は7~9月期も2ケタ増収 香港での売り上げ減も跳ね返す

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の2019年7~9月期決算の売上高は、前年同期比17.0%増の133億1600万ユーロ(約1兆5579億円)と上期に引き続き増収だった。

 香港では中国本土への容疑者引き渡しを可能にする条例に抗議する大規模なデモが6月から続いており、観光客が大幅に減少していることから、特にラグジュアリー業界が大きな打撃を受けている。LVMHも香港における第3四半期の売上高は同25%減となったが、全体としてはそれを吹き飛ばす勢いで業績を伸ばしている。

 ジャン・ジャック・ギヨニー(Jean-Jacques Guiony)LVMH最高財務責任者(CFO)は、「香港で7月の売り上げがほぼ横ばいで、8~9月が40%減となったことから、第3四半期の売上高はおよそ25%減となった。グループ全体の利益にも多少の影響があると思われるが、固定費を減らすため、香港で賃料の値下げを交渉しているところだ。いずれは情勢が落ち着き、香港の売り上げも回復するものと確信している」と語った。米投資顧問会社アライアンス・バーンスタイン(ALLIANCE BERNSTEIN)は、世界のラグジュアリー市場で香港が占める割合は5~10%だとしている。また業界アナリストの多くは、LVMHの売上高全体に占める香港の割合は6%程度だと見ているという。

 地域別の売上高では、日本が同20%増と大幅に伸びている。ギヨニーCFOによれば、これは10月1日から施行された消費税増税前の駆け込み需要であり、香港の売り上げ減少とは関係がないという。「日本を除くアジアでも売り上げが同12%増となったが、香港との関連性を示すものは特にない」と同氏は述べた。なお、ヨーロッパは同11%増、米国は同8%増となっている。

 部門別の売上高では、「ルイ・ヴィトン」や「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」などのブランドを抱える主要事業のファッション・レザーグッズ部門が同22.2%増の54億4800万ユーロ(約6374億円)と引き続き好調だった。中でも「ルイ・ヴィトン」は、ヨーロッパで中国人観光客が増加したことに後押しされて非常に好調だったという。

 ほかの事業では、ワイン&スピリッツ部門が同10.7%増と2ケタ成長だったが、香水&コスメティクス部門は同9.3%増、「ブルガリ(BVLGARI)」や「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」などを擁するウオッチ&ジュエリー部門は同7.9%増だった。

 米国は欧州連合(European Union)との貿易摩擦に関する報復措置として年間75億ドル(約8000億円)相当の輸入品に追加関税をかけることを発表しており、10月18日から欧州産のワインやチーズなどの農業製品に25%の関税が上乗せされる。これについてギヨニーCFOは、「値上げに関しては熟考して慎重に対応する」とコメントするにとどめた。なお、当初発表された対象品目の暫定リストに含まれていた皮革製品や衣類は最終的なリストから外されたため、欧州ラグジュアリーブランドの多くは難を逃れている。