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ティファニーCEOが香港に懸念 「当面消費熱は低調」

 ティファニー(TIFFANY & CO.)のアレッサンドロ・ボリオーロ(Alessandro Bogliolo)最高経営責任者(CEO)が「香港での売り上げが、去年に比べて大幅に落ち込んでいる」と、一向に混乱が収まらない一大マーケットへの懸念を表明した。同ブランドにとって香港は、アメリカ、日本、そして中国に次ぐ世界第4のマーケット。ただ直近のデモに伴う混乱で、現地にある10の店舗のうち数店舗は営業が困難となり6日以上休業したという。「6日間の休業も問題だが、以降もしばらく香港の消費熱は低調だろう」とボリオーロCEO。同社は、香港のデモが収束しない場合、今年の売り上げは同社見込みの下限まで落ち込む可能性があるとしている。

 ただ、香港市場に対する戦略は当面変更しない。ボリオーロCEOは、「グローバルなラグジュアリーブランドにとって、香港は不可欠な市場。長期的な視点に立って投資しているので、近々にこれを変更する予定はない」と話す。空港内の小型店を免税エリア内に拡張するほか、9月には九龍・油尖旺区の超高層ビル、北京道1号に旗艦店をオープン予定。ここにはニューヨークを除いて世界に2つ(もう1つは上海の旗艦店にオープン予定)の「ティファニー・ブルー・ボックス・カフェ」を構える計画だ。

 香港のみならず、アジアを取り巻く環境は厳しさを増している。中国本土においては米中の貿易戦争の影響が深刻で、メード・イン・USAの商品には重い関税がのしかかる。直近、中国本土での売り上げは、前年同期に比べて25%も上昇したが、駆け込み需要との公算が強い。

 また日本においては10月に消費税が8%から10%に上昇。同社は、「すでにマクロレベルではタフな環境の日本市場も、不透明さが増すだろう。過去の増税では駆け込み需要と反動減がすさまじかった。これから同じような状況が起きるかは分からない。予想は困難だ」と警戒する。

 アメリカ市場も中国政府が国民に渡米の再考を呼びかけているほか、ドル高基調で観光客の消費意欲が減退しているため、売り上げは前年同期に比べ4%減少した

 同社の2019年度第2四半期決算は、売上高が前年同期比3%減の約10億ドル(約1060億円)で、既存店売上高は同4%減だった。ドル高の影響が大きい。