
数年前に新聞記事を読んで以来、表参道の石灯籠をじっくり見るようになりました。
表参道と青山通りの交差点に立つ2基の石灯籠。高さ6mほどの大きなものですが、ケヤキ並木の風景に溶け込んで気に留める人は少ないでしょう。台座がところどころ破損し、黒ずんでいます。これは1945年5月の山の手空襲の爪痕なのです。
一晩で約4000人が犠牲になった山の手空襲で、表参道は壊滅的な被害を受けました。交差点に設置された追悼碑には「表参道では、ケヤキが燃え、青山通りの交差点付近は、火と熱風により逃げ場を失った多くの人々が亡くなりました」と刻まれています。追悼碑は抑制された表現になっていますが、雨のように投下された焼夷弾の破壊力は凄まじく、表参道は火の海になりました。住宅や商店はもちろん、ケヤキ並木も数本を残して焼失しました。
生き残った人たちの証言をまとめた書籍「語りつぐ『表参道が燃えた日』」には下記のように記されています。
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