
これまでカラッとして過ごしやすかった欧州の夏も、いよいよ“地球沸騰化”の影響が色濃くなってきた。それに伴い、今季のメンズ・ファッション・ウイークでは、「いかに暑さをしのぐか」を意識した提案が目立つように。結果として、もはや猛暑が日常となった日本に暮らす私たちにとっては、むしろリアリティーを感じられる装いが増えた印象だ。ランウエイでは、“クワイエット・ラグジュアリー”の潮流が続き、多くのブランドがコットンポプリンシャツやリラックスムードのジャケットといった“ステイプル”(=定番)を軸に、スタイリングや小技で個性をにじませた。そんな“自分らしさ”を重んじるムードに「酷暑からの逃避」の感覚が重なり、下着やパジャマのようなアイテムをミックスして、肌見せや透けを厭わない大胆なルックも多く登場。メンズファッションにおいて、清涼感を前提としたスタイリングはますます重要性を増していく。(この記事は「WWDJAPAN」2025年7月28日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
KEYWORD 1:
PRIVATE ESCAPE
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肌見せや透けもいとわぬ、自由で開放的な逃避
酷暑の都市を離れ、心と身体の“セーフティーゾーン”に向かう避暑の服が今季の主役。パジャマやインティメイトウエアのような心地良さ重視のアイテム、肌を撫でるような素材感に注目だ。「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」のパジャマセットアップ、「ザ・ロウ(THE ROW)」によるアンダーウエアのレイヤード、「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」のパレオを巻いた艶やかなスタイルに、ムードが色濃く表れる。センシュアルさと清涼感を漂わせながら、肌見せや透けすらも厭わない、自由で開放的なマインドを帯びている。
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