
相次ぐデザイナー交代によって新たな時代が築かれつつある中、顕著なのは大人に向けたモダンエレガンスの復活だ。大きなロゴを配しただけのストリートウエアはほぼ姿を消し、デザイナーの力量を示す洗練された提案が広がっている。女性性を謳歌するような体を意識したアプローチからドラマチックな動きやシルエットの探求まで、力強いコレクションが出そろった。(この記事は「WWDJAPAN」2025年10月20日号からの抜粋です)
「ジバンシィ(GIVENCHY)」
DESIGNER/サラ・バートン(Sarah Burton)
現代女性の心を映し出す
パワフルなフェミニニティー
テーマは「パワフルなフェミニニティー」。半年前に提案したシルエットを土台に、テーラリングの構造を解きほぐし、素肌をのぞかせることで生まれる軽やかさと解放感を表現した。例えば、ジャケットの背面にばっさりハサミを入れてオフショルダーに作り替えたり、コットンやレザーで仕立てた白シャツの襟部分を下げることでデコルテを美しく見せたり。体に沿うラップスカートは、コートを腰に巻きつけた時のシェイプから着想したもの。正面で折り重なる生地のドレープがエレガントだ。ドレスには、レースのランジェリーやフィッシュネットタイツなど“ブドワール(婦人の私室)”に通じるセンシュアルな要素を採用。終盤にはクチュールさながらの刺しゅうを全面に施したアイテムも披露した。
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