ファッション
特集 2026年春夏トレンド総決算 第5回 / 全14回

「ジバンシィ」「クロエ」「エトロ」「マメ」、4人のデザイナーに聞いた2026年春夏コレへの思い

有料会員限定記事

「ジバンシィ」「クロエ」「エトロ」「マメ」、4人のデザイナーに聞いた2026年春夏コレへの思い

WWDJAPAN」は、2026年春夏シーズンもコレクションの直後にバックステージに駆け込み、デザイナーの話を聞いた。不安で不穏な時代ゆえ、多くのデザイナーがオプティミズム(楽観主義)やジョイ(喜び)を語った中、共感する気持ちを吐露した4人のデザイナーの思いを紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2025年11月10日号からの抜粋です)

クロエ(CHLOE)

シェミナ・カマリ/クリエイティブ・ディレクター

シェミナ・カマリ(Chemena Kamali)/クリエイティブ・ディレクター

PROFILE:1981年ドイツ生まれ。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校でファッションの修士号を取得。フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)時代の「クロエ」でデザイナーとしてのキャリアをスタート。その後一度はブランドを離れたが、クレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)時代の2013年、デザイン・ディレクターに就任した。24-25年秋冬でランウエイデビュー

創業時の「クロエ」のように
クチュールとプレタポルテの“二足のわらじ”を履いた

「クロエ」というブランドの概念を少し広げるとしたら、それが何で、どこへ向かうことができるのかを探りたかった。過去数シーズンで、私たちは核となるメゾンコードを確立できたと思う。だから今回は、新しい領域に踏み出したかった。創業者のギャビー・アギョン(Gaby Aghion)がブランドを設立したのは、1950年代の後半。パリはクチュールの時代だったが、その堅苦しさを嫌った彼女は一種の反クチュール主義者だった。きっと、軽やかなものを求めていたと思う。一方で当時のクチュールのシルエットにはインスピレーションを受けていた。つまり“二足のわらじ”を履いていたの。「クロエ」は、プレタポルテとオートクチュールの中間に位置していた。 それが「面白いな」と思い、ドレープやプリーツ、ラッピング、ノッティングといった古典的なクチュール技法を取り入れた。3Dデザイナーとしてキャリアをスタートした私にとって、ドレープはスケッチよりも簡単なので、個人的な視点も取り入れて、DNAに加えて認識を広げたかった。「クロエ」をステレオタイプに決めつけられたくなかったから。プレタポルテとクチュールの中間のような存在という概念から、「クロエ」だったら今のクチュールドレスをどう着こなすか?を考えた。素材は、 ごく普通のコットン。でもすごく細かいプリーツに織り込み、形を作りながらも重さを感じさせない仕上がりを目指し、軽やかで自然でありながら、実際は非常に緻密に計算されたジェスチャーを作り出したかった。50年代後半〜60年代のアーカイブプリントは、ジャージーや水着にもプリントした。実にさまざまな細工が施されていた、50年代の水着にも刺激を受けた。

この続きを読むには…
残り2983⽂字, 画像9枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

ファッションの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

Is AI GOOD?AIがもたらす「ゲームチェンジ」

「WWDJAPAN」12月1日号は、ファッション&ビューティ業界でいよいよ本格化する“AIゲームチェンジ“を総力特集しました。11月19日のグーグル「ジェミニ3.0」発表を契機に、生成AIは「便利なツール」から「産業の前提インフラ」へ変貌しつつあります。ファッション&ビューティ業界で浸透する生成AI及びAIの活用法とゲームチェンジに向けた取り組みを紹介しています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。