ビューティ
特集 CEO2026

【マッシュビューティーラボ 豊山YAMU陽子社長】26年はグローバル元年 チャネル拡大で新領域へ

PROFILE: 豊山YAMU陽子/社長

豊山YAMU陽子/社長
PROFILE: (とよやま・やむ・ようこ)2005年にマッシュスタイルラボのファッション事業の立ち上げに参加し、「スナイデル」「ジェラートピケ」「フレイ アイディー」「エミ」といった主力ファッションブランドの成長·拡大に寄与。マッシュスタイルラボ取締役を経て、23年4月1日から現職。「コスメキッチン」「ビープル」など小売業態の売り場編集力と企画力の底上げを図る PHOTO : KOJI SHIMAMURA

ナチュラル&オーガニック市場が価値の打ち出しに奮闘する中、マッシュビューティーラボは、実店舗とECをシームレスにつなぐ数々のイベントを仕掛けて、新規客を増やし続ける。2026年は好調のプライベートブランド(以下、PB)を中心にグローバル展開に注力。さらにチャネルの拡大により、ナチュラル&オーガニックの裾野と間口の拡大を図る。

編集力で
ナチュラル&オーガニックコスメの
カルチャーを世界へ

WWD:25年は既存店の磨き上げを目標にした。

豊山YAMU陽子社長(以下、豊山):仕掛けの数と質の双方を高めた結果、25年8月期の既存店売上高は前期比18%増と伸長した。イベントは、テーマやブランド、製品特性に合わせた特化型の仕掛けをよりきめ細かく設計。特定カテゴリーや主力アイテムにフォーカスし、売り場演出や打ち出し方、接客の切り口までを一体で見直すなど、「何を、誰に、どう届けるか」を明確にした企画を積み重ねた。新しいお客さまを増やすことができ、手応えのある1年だった。

WWD:売り上げをけん引したカテゴリーは?

豊山:全カテゴリーが好調で、売上高は同14%増だった。特に大黒柱である「コスメキッチン(COSME KITCHEN)」が同21%増と全体の伸長に寄与した。「ビープル(BIOPLE)」も2ケタ成長だった。カテゴリー別ではインナーケアが前年の2.6倍と大きく飛躍。パッケージのデザイン力もあってギフトも同44%増となった。また、部署横断のプロジェクトを立ち上げ、人気品番の在庫不足というボトルネックを解消。その結果、既存製品だけで約8億円の売り上げ貢献を果たした。強みや可能性を改めて掘り起こし、伝え方を磨き直したことが成果につながった。PBでは「スナイデル ビューティ(SNIDEL BEAUTY)」が同26%増に。“アイデザイナー”が各媒体のアワードを受賞するなどの影響でベストセラーに定着して売り上げを底上げした。「トーン(TONE)」はビタミンCサプリメントの“ドリーム フローラ VCショット”をはじめ、新作のヒットにより多くの新客を獲得し、同16%増となった。ブランドを代表する春のSAKURAコレクションも3年目を迎え、今年は過去最大級の売り上げを見込む。

WWD:売り場やイベントの取り組みは?

豊山:「コスメキッチン」などのリテール事業は、年間プランをきめ細やかにアップデートした。業態ごとに各部門が膝を付き合わせてアイデアを出し合い、シーズンプロモーションを計画·実行できた事は大きい。たとえば、長期化する夏に対してあらゆるモチベーションを仮定して施策に変化を持たせ、初夏から初秋までお客さまを飽きさせない工夫ができた。「ザ オーガニックデイズ」や「ビープルフェス」も回を重ねるごとに注目度が高まり、実績にも表れている。25年9月に大阪・阪急うめだ本店で開催した「ビープルフェス」の売上高は、前回比24.5%増と大きく伸長。対面接客を重視し、生産者の思いや製品の背景を丁寧に伝えることで、主催イベントへの出展オファーも増えている。

WWD:熱を伝えるスタッフ教育にも注力する?

豊山:25年9月から、スタッフ教育用のデジタルアプリを導入した。マニュアルや製品情報だけでなく、生産者の思いやブランド背景を共有できる仕組みだが、時間や場所に縛られず学べることで接客の質が高まり、既存店の成長にもつながっている。「自発的に解決して成果につなげられる」「製品に対する知識が深まり、接客力が格段に向上した」など、スタッフからも好評だ。AIを活用し効率化を推進しながら、愛情や熱量を持った人が活躍できる場をこれからもつくりたい。

WWD:グローバル展開の進捗は?

豊山:26年は「グローバル元年」としたい。「スナイデル ビューティ」は24年に韓国に出店、25年には香港のセレクトショップでの取り扱いが始まり、今後さらに海外展開を加速する。「トーン」は、中国·台湾からのオファーが絶えず、ECを中心に強化していく。PBだけでなく「コスメキッチン」や「ビープル」にも興味を持ってくださっているし、訪日客の増加に伴い、店舗ではジャパンブランドが伸長する傾向もある。中長期的には「コスメキッチン」の海外出店も検討しており、当社ならではの編集力でナチュラル&オーガニックコスメのカルチャーを世界に広めたい。

WWD:26年に注力する施策は?

豊山:26年はチャネル拡大とロイヤルカスタマー増加に注力する。チャネル拡大はFCと外部流通の強化。ナチュラル&オーガニックコスメを届けられていない地域が国内にもまだあるので、同じ価値観を持ったパートナー企業と共に、ゆくゆくは地域や施設のニーズに即してMDの精度を高めたい。また、販売力にさらに磨きをかけ、長くお付き合いできるロイヤルカスタマーを増やしていく。「コスメキッチン」も「ビープル」もただ買い物をする場所ではなくて、「美しい生き方を学べる場所」として啓蒙していきたい。今後はバイイングプロセスも常に見直し、好調なコラボは各IPに敬意を表しながら継続し、人や地域、文化との協業にまで幅を広げ、クリエイティブに新しいカルチャーを生み出したい。それができるチームだし、学びながら進化していく26年にしたい。

個人的に今注目している人

俳優·歌手 木村拓哉さん

テレビをあまり見ない私ですら、いつも芯の強さを感じる存在。どんな状況においても信念を貫き、まっすぐひたむきに仕事に向き合っている印象を受ける。その精神力や心構えが長年ファンの皆様から支持されている姿に、自然と自分自身をかえりみる刺激をもらう。

COMPANY DATA
マッシュビューティーラボ

マッシュグループの傘下として2010年に設立。ナチュラル&オーガニックコスメのセレクトショップ「コスメキッチン」や、コスメに加え食品やインナーケアアイテムをそろえる「ビープル」「ビオップ」を運営する。「スナイデル ビューティ」「トーン」「セルヴォーク」などプライベートブランドも充実し、22年に発表した「ミティア オーガニック」ではファミリーマートと協業するほか、日本における総代理店として「トリロジー」「インナーセンス」「ミー トゥデイ」などを展開

TEXT : YOSHIE KAWAHARA
問い合わせ先
マッシュビューティーラボ
https://mashgroup.jp/contact/