今季のパリ・メンズ・ファッション・ウイークのハイライトは、何と言っても「ディオール(DIOR)」のジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)新アーティスティック・ディレクターによるデビューコレクションだろう。また、ジュリアン・クロスナー(Julian Klausner)新クリエイティブ・ディレクターによる初のメンズ・コレクションを披露した「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」も、やはり大きな注目を集めた。いずれも高い評価を獲得し、全体にポジティブなムードが漂う中、ランウエイでは洗練されつつもリラックス感のある、ノンシャランなルックが多く見られた。ここでは、有力小売店のバイヤーが注目するトレンドと、マストアイテムを紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2025年7月28日号からの抜粋です)
ギャラリー・ラファイエット
アリス・フェイヤー=メンズウエア・ディレクター
パリはいつものことながら、華やかな大手ラグジュアリーブランドと先鋭的な新進ブランドのバランスがよく、いずれもクリエイティビティーに満ちていてとても楽しめた。中でも特によかったのは、期待値の高かった「ディオール」と「ドリス ヴァン ノッテン」のほか、「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ジャックムス(JACQUEMUS)」「ザ・ロウ(THE ROW)」。
全体として、フリュイドで柔らかなラインのテーラリングによる、カジュアルかつ洗練されたエレガンスや、最高級の素材を使用した軽やかさの表現が印象的だった。上質なシャツ、薄い素材を重ねたレイヤードスタイル、マイクロ丈のショートパンツがトレンド。そこに、引き続き人気のレザーやデニムを合わせたルックが新鮮だった。色味では、チョコレートを思わせる深いブラウンやアーストーンに、ビビッドなピンク、もしくはライラックなどのパステルカラーを合わせているのが目についた。
マストアイテム
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