ファッション
特集 ポスト・コロナの勝者 “プレミアムスポーツ” 第10回 / 全10回

プレミアムスポーツ市場の隆盛に学ぶ

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年8月11&18日号からの抜粋です。)

五十君:コロナ禍以降、国内外のスポーツ企業に好調なところが多いです。昨今、ラグジュアリーも減速している中、伸び続けている理由は何なのか。人の心を引きつける何かがあるのではないかと考え、特集を企画しました。

林:日本企業については、海外が伸びていますよね。特にアジアが伸びていて、アシックス(ASICS)、ミズノ(MIZUNO)、デサント(DESCENTE)は絶好調。かつては学校需要に頼ってきたけれど、少子化一直線の日本には先がない。国外に出なければ、という思考が成長の原動力になっている。ただ、かつては競技系のみの需要でしたが、今はファッション文脈での盛り上がりもあり、勢いがあります。

五十君:「子どもから大人へ」という移行はグローバルでも明確なのですが、海外が日本市場と同じわけではありません。中国が豊かになり、ウェルネス意識が広がり、キャンプやランニングがはやったり、世界的にもアスレジャー市場が広がったりと、かつてと違うデザインセンスや売り方が求められた結果、プレミアム市場が出来上がってきたのだと思います。

林:確かにスポーツブランドとして考えると高価格だけれど、ファッションブランドとして考えると機能もしっかりしていて割安感がある。そんな感じでスポーツやアウトドアブランドが高額でも売れる状況が続いている印象です。

コミュニテイー作りの実例に注目

五十君:加えて、アクティビティーで場を作れるので、コミュニティー作りがすごく上手。コミュニテイー作りのモデルケースとしても注目です。今回は「サロモン(SALOMON)」と「チャコット(CHACOTT)」にコミュニティー育成をテーマに取材しました。

林:さかのぼれば、いま開催中の夏の全国高校野球の土台を1913年に作ったのがミズノ創業者の水野利八です。100年以上前から地道に文化を作ってきていて、それがブランドとして可視化されるようになってきています。スポーツを楽しむのは世界共通。グローバル化しやすい土壌があります。ライセンスを含めてマルチブランドを展開していたデサントやゴールドウイン(GOLDWIN)が、自社の名前を前面に出してブランドとして再構築する動きも興味深いです。

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