コロナ禍以降、スポーツ&アウトドア市場の成長が著しい。スポーツウエアやパフォーマンスシューズが日常着として支持を広げていること、アジア太平洋地域で拡大している中流層が、余暇にスポーツを楽しむようになってきたことなどが背景にある。今特集では、成長著しいスポーツマーケットの現状を取材。コミュニティー育成方法など、一般アパレル企業にとってもヒントになる部分は多いはずだ。(この記事は「WWDJAPAN」2025年8月11&18日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
2024年のシューズを含む世界のスポーツウエア市場規模は、調査会社によって数字にバラつきはあるものの、おおよそ2000億〜3000億ドル(約30兆〜45兆円)。30〜32年に向けての年平均成長率(CAGR)は5〜10%というデータが多い。少子化が進む日本でも市場は拡大している。矢野経済研究所によれば、24年のスポーツアパレルの国内市場規模(出荷金額ベース)は前年比2.7%増の6255億円。特に高成長で、シェアも大きいアウトドアアパレルに絞れば、24年の市場規模は同10.6%増の1880億円、21〜25年のCAGRは9.8%と出ている。
“アスレジャー”が街やオフィスに浸透
グローバルでも国内でも、かつてはスポーツウエア市場の主役は子どもや学生だった。それが、世の中のウェルネス意識が高まり、またスポーツウエアを日常で着用する“アスレジャー”の潮流も広がって、近年は30代以上が消費主体だとするデータは多い。象徴的な事例として、日本ではアシックス(ASICS)が26年秋に、体操服や体育館シューズなど学校指定用品の製造・販売を終了する。体育や部活のイメージが強かったアシックスは、アスリートが履く高機能シューズや気鋭デザイナーとコラボしたファッションスニーカー、インバウンドに大人気の「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」など、高付加価値製品に軸足を移して、ここ数年大躍進している。
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