毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年12月15日号からの抜粋です)
本橋:百貨店やSCに出店するブランドやショップの展示会を回って、リアルなトレンドを探る恒例の企画です。今回も総勢47の業態の2026年春夏のイチ推しを紹介します。今回の傾向としては、甘さが戻ってきているということですね。僕はガールズ系やヤングカジュアルに比重を置いて取材しましたが、韓国っぽい感じやグランジの流れはありつつも、ドット柄やラッフル、レース、フリルなどが復活。大きな波になっています。
木村:私は主にセレクトショップの展示会を回りましたが、やはりロマンチックがキーワードとなっているところが多かったです。シアー素材などの素材感での表現よりも、ペプラムやフリルなど、ボリューム感のあるシルエットで甘さを出す感じが主流でした。細身のシャツなど、インテリジェンスやクールさを組み合わせた提案が目を引きました。
カワイイは元来日本の得意分野
本橋:ほかにもビンテージ感やクラフト感を組み合わせたり、甘さの提案にバリエーションがありましたね。カワイイは元来日本の得意分野。韓国系やクワイエットラグジュアリーをカワイく進化させるシーズンだと考えました。甘さをどう取り入れるかがカギです。
木村:前号のメンズトレンドでもフォーカスしていましたが、シャツを見せているところが多かったです。羽織になるし、きちんと見えもするし、ビジネスライクなものからブラウスっぽいものまであって、色と柄で遊ぶのも今季っぽいと思いました。
本橋:オトナの女性向けだとシャツが多そうですよね。ヤング向けだと、裾がラッフルになっていたり、スリーブの一部にフリルが入っていたりと、シャツ自体に甘さが加えられています。
木村:甘さと言いつつ、ボトムスは圧倒的にパンツが多かったですね。甘さがあるトップスに、チノパンやデニムでバランスを取るというのが、次の春夏の本命スタイルかもしれません。
本橋:甘いんだけれど、ワンピースは引き続き少なかったです。カラーは、オトナ向けには「ドリス ヴァン ノッテン」のようなツヤっぽい感じ。ヤングの方はビビッドなレッドや、水色と茶色の組み合わせ。バターイエローを使っているブランドも多かったです。