毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2026年1月19日号からの抜粋です)
木村:ロンドンコレを取材するようになって、小粒だけれど、すごく盛り上がるコレクションに多く出合いました。半年前くらいに向(千鶴サステナビリティ・ディレクター)さんと藪野さんと東京で飲んだ際に、「決して洋服自体が新しいわけじゃないけど、熱量のあるコミュニティーがあるブランドが面白い」と語ったら、「今っぽいよね」って藪野さんが乗ってきてくれて。もうちょっと深く取材したいと思い、特集を企画しました。こういうのに共感できるのも、私がデザイナーたちと近い世代だからかもしれません。「今、この年代だからやろう!」と決めました。
藪野:その飲みの場でラブコールを受けて特集メンバーになりました(笑)。昔はスターデザイナーになったり、世界的ブランドを築いたりすることを目指す人が多かったと思いますが、今のデザイナーが考える成功の形はさまざま。ベルリンでも既存のシステムにとらわれず、自分たちのコミュニティーと一緒に歩んでいこうという若手ブランドが増えていると感じていました。規模は小さくてもキラリと光る新しい才能や動きを紹介するのは「WWDJAPAN」の役目ですよね。でも、定義付けがなかなか難しかったです。明確に数値では語れないからこそ、一緒に特集を担当した大杉(真心)さんも含めてかなり議論しましたね。
熱量の高いコミュニティーが特徴
木村:“今っぽい”とか、“時代性を表現している”というのは一つの軸になったのですが、では、“今っぽい”とはどういうことかをすごく考えさせられました。表紙にした「エムエーエスユー」は、アミューズメントイベント「マス ボーイズ ランド」に前日の深夜から並びができ、10代のブランドファンから赤ちゃん連れのファミリーまで多様な人を集めています。アーカイブセールなどをしているのですが、まるでディズニーランドのような演出で、すごい熱量。“熱量”も今回のキーワードです。新進ブランドを多く扱うロンドンのセレクト「マシーンA」のオーナーが「エモーショナル・コネクション」と表現していたのも印象的でした。才能を見極める際には「つながりたいと思える思想があるか」「正直であるか」をチェックするそうです。
藪野:いろんなブランドを見ている僕らがビビッと来るかも大切にしました。タイミングが合わず取材できなかったブランドも多かったですし、第2弾も作りましょう!定例化してもいいですよね。