日本のジュエリーブランド「タサキ(TASAKI)」を擁するTASAKIホールディングス(本社:兵庫県神戸市)は、3月16日付けでグループの経営体制を変更した。新しい経営トップは、「シャネル(CHANEL)」の日本法人を長らくけん引したリシャール・コラス(Richard Collasse)取締役 兼 代表執行役社長 グローバルCEO。田島寿一・代表執行役社長 CEOは、代表権のない会長となる。また日本におけるブランドビジネスを担うTASAKIのトップは4月1日付で、3月31日まで現在フェラガモ・ジャパンでトップを務めている小田切賢太郎・代表取締役CEO。同じく中国におけるブランドビジネスを手掛ける塔思琦(上海)商業有限公司は、マシュー・ベイ(Matthew Bai)Asia ex-Japan CEOが率いる。
リシャール・コラス取締役 兼 代表執行役社長 グローバルCEOは1953年、フランス・オード地方出身。75年にパリ大学東洋語学部を卒業後、在日フランス大使館儀典課を経て、79年にジバンシィに入社。81年、同社の日本法人の設立に伴い代表取締役に就いた。85年にはシャネルに入社し、93年には香港シャネルのマネージングディレクターに就任。95年にはシャネル日本法人代表取締役社長に就いて、2018年からは会長として、長年に渡り日本市場のブランド戦略と事業成長をけん引した。現在はイオンの社外取締役も務めている。TASAKIホールディングスでは、世界各地でのブランド戦略および成長戦略を統括し、日本発のラグジュアリーブランドのグローバル展開を推進する役割を担う。リシャール・コラス取締役 兼 代表執行役社長 グローバルCEOは、「前社長の功績と精神を深く敬いながら、世界に誇る日本の美意識を体現しつつ、社員一人ひとりに寄り添い、その声に真摯に耳を傾けながら、謙虚な姿勢でTASAKIに新たな躍動をもたらしていきたい。グローバル・ラグジュアリー産業において、『タサキ』がふさわしい国際的な輝きを放てるよう、全力を尽くす」としている。
日本事業を手掛ける小田切TASAKI代表取締役CEOは、伊勢丹出身。バーニーズ ニューヨークを経て、1999年にはエストネーション創設に携わった。2006年にギャップジャパンで「バナナ・リパブリック(BANANA REPUBLIC)」の責任者を務め、09年にはセリーヌ ジャパンのプレジデント&CEOに就任。17年にはバーバリー・ジャパンの代表取締役社長、22年からフェラガモ・ジャパンにおける代表取締役社長を務め、共に日本市場におけるブランド戦略とリテール・オペレーションの強化を担った。今後は、日本市場の事業運営全般を統括し、顧客体験と事業基盤の深化を推進する。
塔思琦(上海)商業有限公司のマシュー・ベイAsia ex-Japan CEOは、2020年からケリング(KERING)傘下の「キーリン(QEELIN)」で中国のジェネラルマネジャー、マネージング・ディレクターとしてブランドの成長をリード。TASAKIでは、中国を中心とするアジア全域の事業戦略や組織運営を統括し、同地域での持続的かつ質の高い成長を推進する。
田島会長は、「『タサキ』を世界の主要マーケットにおいて日本発のラグジュアリー・ジュエラーとして認知され、尊敬されるブランドに育て上げることが大きなビジョン。代表執行役社長 CEOのバトンを、私のラグジュアリー業界における旧知の一人であり、良きライバルでもあったリシャール・コラス氏に引き継ぐことができるのは、至極の喜びでもある。コラス氏のラグジュアリー業界における豊富な経験とネットワークが、必ずや『タサキ』のビジョン実現を成し遂げるものと確信している」と話した。今後も、ブランドへの深い信念と中長期的な視座から戦略の継続性を担保する。
TASAKIは昨年、創業70周年を迎えた。パールとダイヤモンドを中心としたジュエリーは、タクーン・パニクガル(Thakoon Panichugul)やプラバル・グルン(Pragbal Gurung)といったファッションデザイナーを起用した斬新なデザインで人気が高い。昨年は、アジアが拠点の投資企業ファウンテンベスト・パートナーズと日本の投資企業ユニゾン・キャピタルが1000億円程度で買収している。