1829年創業の英国シューズブランド「トリッカーズ(TRICKER'S)」はこのほど、ロベルト・メニケッティ(Roberto Menichetti)をクリエイティブ・ディレクターに任命したことを発表した。また同ブランドは日本進出40周年という節目にあたり、日本市場を国際展開の重要な拠点と位置づけてきた。1980 年代の参入以来、同ブランドのブローグシューズやブーツは、その耐久性、履き心地、職人技によって、日本の顧客層に受け入れられてきた。2019年、創業190周年を記念し、「トリッカーズ」は東京に英国国外で唯一の単独店舗となるフラッグシップストアをオープンした。
クリエイティブ・ディレクター就任に対し同氏は、「日本での40年という節目を迎えることは、私にとって意義深い。日本は『トリッカーズ』が理解されてきた国であり、ケア、精緻さ、真正性が価値として共有されてきた場所である。そしてそれらは、私のキャリアを通じて常に拠り所としてきた価値でもある。トリッカーズは、必要性、美意識、そして革新を結びつけることのできる知性と手によって、時間を掛けて築かれてきた物語である。そのスタイルは受け継がれ、今日に至るまで明確であり続けている。実際のニーズを先読みするこの視座が、アウトドア向けフットウエアを初めて生み出し、今日なおアイデンティティーを確立している理由である。『トリッカーズ』を守るとは、時代を超えたアイデンティティーに連続性を与えること。すなわち、その本質を失うことなく未来を見据えることである」とコメントした。
伝統的な靴作りの技術を維持しながら快適性と機能性を高めた靴を目指して
同氏のクリエイティブ・リーダーシップのもと、「トリッカーズ」はプロダクト主導の方針を掲げる。ブランドの特徴である手作業による製法、伝統的な靴作りの技術を維持しながら、現代の顧客に向けた快適性と日常における機能性を高めていくという。フィットの再検証、長時間の着用における快適性の向上、そして技術的改良を通じて、表面的な変化ではなく、節度ある進化を追求する。
今回の任命は、メニケッティおよび 「ターンブル&アッサー(TURNBULL&ASSER)」会長ジェームズ・フェイド(James Fayed)による「トリッカーズ」への過半数出資と時を同じくするものである。本提携は、ジャーミン・ストリートのシャツメーカーである「ターンブル&アッサー」と、1829年創業のノーサンプトンのシューメーカー、「トリッカーズ」という英国紳士服の2つのブランドを結びつけるものであり、メニケッティは「ターンブル&アッサー」のクリエイティブ・ディレクター職と並行して、「トリッカーズ」のクリエイティブ全体を統括する。
「バーバリー」や「セリーヌ」を歴任
ロベルト・メニケッティは、クロード・モンタナ(Claude Montana)のもとでキャリアを開始し、その後 GFT を経て、1990 年代に「ジル サンダー(JIL SANDER)」へ迎えられた。さらに「バーバリー(BURBERRY)」のクリエイティブ刷新に関わり、ブランドを現代的に再構築することに貢献した。その後「セリーヌ(CELINE)」のクリエイティブディレクターに就任、「チェルッティ(CERRUTI)」や「バランタイン(BALLANTYNE)」といったメゾンのコンサルティングも手掛けている。