
チェックやヘリンボーン、ブリティッシュウールやツイードなど英国調のムードも漂う。しかし、「ディーゼル(DIESEL)」のように大胆な加工を施し、シックやトラッドの枠に収まらない、オリジナリティーあふれるアレンジの仕方が面白い。「プラダ(PRADA)」はそこに哲学的な問いを込める。「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」はクラシックとゴープコアを融合させて伝統と現代の二面性を表現。「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」や「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」は乗馬スタイルを取り入れながら産地へのオマージュや理念などを発信。ブランドの個性を感じさせる英国調の解釈が広がっている。(この記事は「WWDJAPAN」2025年3月17日号からの抜粋です)
「ディーゼル(DIESEL)」
DESIGNER/グレン・マーティンス(Glenn Martens)
グレートーンを基調にしたツイード風のジャケットやミニマルなロングコートといった、シックなフォーマルウエアが主流。千鳥格子のジャカードは、ところどころほつれたように糸が飛び出し、ボトムスはマイクロミニスカートやウォッシュ加工を施したジーンズを合わせてフォーマルを壊す。ボディーコンシャスなシルエットは従来より控えめで、新たにローライズを提案。腰の下にベルトループを配したスーパーローライズも登場し、存在感を放った。
「プラダ(PRADA)」
DESIGNER/ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)&ラフ・シモンズ(Raf Simons)
縮絨した硬質なブリティッシュウールで表現するのは、“女性らしさ”を象徴するアイテムであるミニドレス。素材の硬さゆえ、体のラインは拾わず、ネックラインには、“ソバージュ・フィニッシュ”と呼ぶ、切りっぱなしのディテールを加え、あえて粗野なニュアンスに落とし込んでいる。メンズのスーツパンツを切って作ったようなスカートも登場。根底にあるのは、「現代における女性らしさとは何か?」という問いだ。
「マックスマーラ(MAX MARA)」
DESIGNER/イアン・グリフィス(Ian Griffiths)
英国のロマン主義作家、シャーロット・ブロンテ(Charlotte Bronte)の「ジェーン・エア」とエミリー・ブロンテ(Emily Jane Bronte)の「嵐が丘」から着想を得た。ブロンテ姉妹が暮らしていたヨークシャーの荒野を思い描き、キルティングのライニングやフロックコート、膝にプリーツを施した乗馬パンツのようなタフな印象のアイテムが登場。印象的なボルドーが女性の情熱を映し出す。一方で、コレクションの主役となった起毛感のある柔らかな素材で作るマキシ丈のコートやスカートの優雅な布使いが優しさを加えた。
「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」
DESIGNER/アンドレア・ポンピリオ(Andrea Pompilio)
「アーバンデュアリティー」をテーマに、伝統と現代が交わる東京の二面性に着想を得た。メンズはタイトなPコートやチェック柄のスーツといった英国トラッドがベース。ウィメンズは淡いカラーのシフォンドレスやスパンコール刺しゅうブルゾンなど、引き続きロマンチックなスタイルを押す。男女共通してジップアップジャケケットやフィールドジャケットなどアウトドアアウターを組み合わせて、「二面性」を表現した。
「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」
DESIGNER/デザインチーム
アルゼンチンの民族衣装とイギリスの乗馬文化を融合し、普遍的な価値のあるスタイルを追求した。民族衣装にルーツを持つ、包み込むようなラインの独特のシルエットに、乗馬ウエアからヒントを得た機能性に富んだディテールを加え、モダンにアレンジした。最高級のウールツイードやカシミヤで仕立てるジャケットやロングコートがクラシカルかつラグジュアリーなスタイルを完成させている。