ファッション

H&M、20年3〜5月期の売り上げは50%減 コロナ禍で赤字転落

 H&Mヘネス・アンド・マウリッツ(H&M HENNES & MAURITZ AB以下、H&M)の2019年12月〜2020年5月期(上期)決算は、売上高が前年同期比22.9%減の836億1200万スウェーデンクローナ(約9197億円)、営業損益は前年同期の69億4000万スウェーデンクローナ(約763億円)の黒字から34億9800万スウェーデンクローナ(約384億円)の赤字に、純損益は同じく53億7200万スウェーデンクローナ(約590億円)の黒字から30億6300万スウェーデンクローナ(約336億円)の赤字となった。

 新型コロナウイルスの世界的な流行によって大半の店舗を休業せざるを得なかったため、20年3〜5月期(第2四半期)の売上高は同50.1%減の286億6400万スウェーデンクローナ(約3153億円)、純損益は前年同期の45億6900万スウェーデンクローナ(約502億円)の黒字から49億9100万スウェーデンクローナ(約549億円)の赤字となった。5月31日の時点で同社はおよそ5050店を運営しているが、その7%程度に当たる350店がいまだ休業している。一方、ECの売上高は現地通貨ベースで同32%増と好調だったが、実店舗の売り上げ減を補うには至らなかった。

 ヘレナ・ヘルマーソン(Helena Helmersson)最高経営責任者は、「この危機的な状況の中で尽力してくれた全ての従業員に心から敬意を表する。現在は多くの店舗が営業を再開しており、売り上げも予想より速いペースで回復している」と語った。同氏はまた、「パンデミックによって消費者動向は急激に変化している。ファッション業界における小売りのデジタル化がいっそう加速することは明白であり、当社も数年前から取り組んでいるデジタル強化、店舗の最適化、販売チャネルの統合などをさらに推進していく」と述べた。

 H&Mは以前から販売網の最適化のため閉店や新規出店を伴う店舗の統廃合を行っているが、新型コロナウイルスの影響を踏まえて、20年の閉店数は当初の計画よりも多い170店、新規出店は計画を下回る130店となる予定だ。

 なおライバルである「ザラ(ZARA)」などを擁するインディテックス(INDITEX)も、以前から店舗とECの完全な統合を目指して店舗の統廃合を進めている。同社は4月30日の時点で7412店を運営しているが、21年までに全体の13〜16%に当たる1000〜1200店を閉じる計画を発表。主に小型店や不採算店を統廃合する一方で、最新の販売支援システムなどのデジタル技術を備えた店舗を新たに450店ほどオープンする。

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