
少子化に伴う売り手市場の継続、生成AIの浸透、価値観の多様化により、企業と学生の関係性は大きく変化している。効率化が進む一方で、「どんな人と働きたいか」「どんな会社で働きたいか」を見極める力の重要性は、むしろ高まっている。転職エージェントの「リクルートエージェント(RECRUIT AGENT)」などを運営するインディードリクルートパートナーズの調査研究機関、インディードリクルートパートナーズ リサーチセンターの栗田貴祥・上席主任研究員に新卒採用市場の変化や就活をしている学生の近年の傾向などを聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2026年6月1日号からの抜粋です)

栗田貴祥/インディードリクルートパートナーズ リサーチセンター 上席主任研究員
「内省することが大事。
企業は自社の魅力の源泉を、
学生は大事にしたいことを明確にすべき」
WWD:企業側の人手不足が深刻化する一方で、AIによって新卒の仕事が失われていくのでは?という予測も生まれている。「新卒採用市場」は転換期にあると思うが、概況をどのように捉えている?
栗田貴祥・上席主任研究員(以下、栗田):2027年3月卒業予定の大卒求人倍率は1.62倍(※インディードリクルートパートナーズ リサーチセンター調べ)で、前年から微減した。ただ、日本全体で見ると中長期的な人手不足の状況は変わっていない。コロナ禍で抑制していた採用を各社が再開したことで、ここ数年は採用意欲が高まっていたが、足元ではある程度充足感も出てきている状況と捉えている。
一方で、テクノロジーの進化が速くなり、企業も「新卒をじっくり育てる」だけでは事業変化に追いつきにくくなっている。そこで、新卒採用だけでなくキャリア採用も含めた“人材ポートフォリオ”を見直す企業が増えている。ただ、AIによって新卒採用が急激になくなるかというと、日本ではそこまでドラスティックには変わらないと思う。欧米のジョブ型と違い、日本はメンバーシップ型雇用がベースだ。新卒で採用し、育成しながら事業をつくるという人事システムが企業経営の前提になっており、そこは堅い部分でもある。AIを活用しながら、人にしかできない領域へ人材をシフトしていく方向が主流になるのではないか。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。
