
アンドエスティHD(旧アダストリア)の「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」が、2019年春夏コレクション以来8年ぶりとなる展示会を開催した。「これまでのお客さまを大切にしながらも、新しいお客さまも獲得できるラインアップ」(同社広報)で、鈍化する成長にブーストをかけるという。一体何が変わったのか。
停滞する成長の打開策は?
アンドエスティHDは昨年、30年2月期に連結売上高4000億円を目指す「中期経営計画2030」を発表した。中核となる「グローバルワーク」は売上高1000億円を目標に掲げるが、26年2月期の売上高は538億円(前期比2.2%増)と伸び悩んだ。20〜40代のファミリー層に向けた「グローバルワーク・スマイルシードストア(GLOBAL WORK SMILE SEED STORE)」も、23年春の立ち上げから2年ほどで終了するなど、ブランド内でゴタつきもあった。決算会見でも、福田泰生社長が「グローバルワーク」の改革の必要性に言及していた。
SCを主販路とする「グローバルワーク」は、「ユニクロ(UNIQLO)」「無印良品」「ファッションセンターしまむら」などと比較されることが多い。競合がひしめくマーケットで、同ブランドが強みとするのが程よいファッション性だろう。ベーシックになり過ぎず、かといって世界観を押し付けるわけでもない。誰もがそれぞれのスタイルでおしゃれを楽しめる。2026-27年秋冬はこの強みを引き出し、売り場の2〜3割でトレンド感あるスタイリングを提案する。変化を体感してもらおうと、展示会も開催した。意気込みを込め、テーマは「シフト(SHIFT)」を掲げた。
「スタイリング提案の強化」
その中身は?
「グローバルワーク」には、着心地やシルエットでリピーターを捕まえる定番シリーズがある。シリーズ累計で500万本以上を売った“ウツクシルエットパンツ”がその代表例で、「足を通せば美脚がかなう1本」と評価を集めてきた。とろけるような着心地の“メルティニット”や、きちんと見えするのにお手入れが簡単な“オテラクシリーズ”も、“ウツクシルエットパンツ”に続くヒット商品に育っている。
こうした定番アイテムをブランドの顔としつつ、トレンドを取り入れたスタイリングで新たな一面を見せる。展示会場にも、シャツの上にニットを重ねたり、ジャケットの中にフーディーを着込んだりしたマネキンが並んだ。センシュアルなキャミワンピースにカジュアルなジャケットとジーンズ、さらにスポーティーなナイロンジャケットを合わせた、ミックススタイルも見られた。きれいめなスタイルの「グローバルワーク」では、なかなか見られなかった提案だ。オリジナルのスカーフやブローチ、アイウエアなどアクセサリー類も拡充し、スタイリングに幅を持たせる。
アイテムを単品で見ても、変化を感じられる。ボトムスはこれまですっきりとしたシルエットが多かったが、ほどよくルーズにしたりショート丈にしたりした。素材選びは「洗いやすさ」や「シワの付きにくさ」を軸の1つとしていたが、今季は立体感のある起毛や複雑な編みのアイテムも登場する。フォックスニット(1万5990円)で価格帯の天井も押し上げた。それでも、国内に約230店舗あるスケールメリットを生かして、他ブランドと比較すると価格は抑えられている。