PROFILE: 田口広人/そごう・西武社長

58年間の歴史にピリオドを打つことを決めた西武渋谷店。長年“シブセイ”の愛称で親しまれてきた同店は、なぜ閉店に至ったのか。今後の経営への影響はないのか。そごう・西武の田口広人社長(4月1日付で会長に異動)は、「西武渋谷店とセゾンの街づくりを知る最後の世代として、私から説明したい」と弊紙の取材に口を開いた。
WWD:閉店を決断した今の心境は?
田口広人社長(以下、田口):非常に無念であり、いろいろな思いが去来する。渋谷店は長く世界中から愛されてきた。長年ご愛顧いただいたお客さま、地域の皆さま、日本ならびに海外の取引先の皆さまに本当に愛していただいた。ご迷惑、ご不便をかけることに社長としてお詫びを申し上げたい。弊社の従業員にも心配をかけるが、配置転換で雇用は維持してく。
WWD:再開発後の建物に西武が再び入居することはないのか。
田口:そうした可能性も模索してきたが、難しいと結論づけた。地権者とは20年近くにわたって30回前後の勉強会を重ねて、将来の街づくりについて議論してきた。しかし再開発計画を具体化する段階になって、諸般の事情から撤退を決断するに至った。
WWD:店舗の業績が芳しくなかったのか。
田口:最近はだいぶ回復していたものの、この10年ほどは年20億〜30億円の赤字(A館、B館、パーキング館の3館の収支)が続いたことは事実だ。ただ近年はアニメやゲームのIP(知的財産)の催事が好評で、特に土日にはたいへんな賑わいになっていた。収益も改善の傾向にあり、現場の努力が実を結びつつあった。再建への手応えはあったため、私たちとしては営業を続けたかった。だが、地権者の意向もあって撤退に至った。
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