
「ジェラート ピケ(GELATO PIQUE)」が8月19日、ブランド初のリカバリーウエアを発売した。一般医療機器に該当するウエアの開発は、マッシュスタイルラボとして初の試みとなる。仕掛けたのは、同社で約15年にわたり企画を中心に経験を積み、直近では「セサミストリートマーケット(SESAME STREET MARKET)」や「サンリオハウス(SANRIO HOUSE)」の立ち上げにも携わった巻島彬子プロデューサー部部長だ。開発の背景と今後の可能性を聞いた。
「ジェラート ピケ」の素材感、そのままでなければ意味がない
WWD:今回のリカバリーウエアで、最もこだわったことは。
巻島彬子プロデューサー部部長(以下、巻島):一番は素材だ。「ジェラート ピケ」のリカバリーウエアなのに、着てみたら硬い、ごわつく、となるのは嫌だった。ふんわりとした柔らかさまで含めて、“ジェラート ピケの素材そのまま”と言えるものにしなければいけないと当初から考えていた。一般医療機器として展開するために必要な工程もあり、機能性をきちんと担保しながら、いかに柔らかさを残すか。そのバランスにはかなり時間をかけた。単に機能を付けたウエアではなく、「ジェラート ピケ」が作る意味のあるリカバリーウエアにしたかった。
WWD:デザイン面での特徴は。
巻島:「ジェラート ピケ」のリカバリーウエアは、ロゴもボーダー柄もベアも使って、ブランドらしさを追求。「リカバリーウエアであることを忘れるくらいかわいい」デザインを目指した。実際に「『ジェラート ピケ』なら、リカバリーウエアを初めて買ってみたい」といった声ももらっている。これまでリカバリーウエアに興味がなかった既存のお客さまにとっても、新しい入り口になるのではないかと考えている。
WWD:発売前から反響も大きかった。
巻島:当初は10店舗ほどに絞り、店頭できちんと説明しながら販売する予定だった。ただ、発表後の反響が想像以上に大きく、より多くのお客さまに手に取ってもらいたいと、発売前に急きょ全国の店舗へ販売を拡大した。
他ブランドのリカバリーウエア開発も視野に

WWD:今後、素材を特徴とした商品のバリエーションは増やしていくか。
巻島:厚手の素材や裏毛にも挑戦したい。「ジェラート ピケ」の他の素材でも可能性はあると考えている。ただ、どんな素材でも、柔らかく、ふんわりとした風合いを出せてこそだ。“スムーズィー”のようなもこもことした素材でも形にできたので、冬に向けても広げていける。今回の素材も冬まで長く着てもらえると思う。
WWD:リカバリーウエア市場そのものをどう見ているか。
巻島:健康やセルフケアは、もう一時的なトレンドではなく、生活の中に定着していると感じている。これからはもっと“ケアの時代”になると思う。コロナ禍を経て、家で過ごす時間を大切にしたり、自宅で使うものに投資したりする人も増えた。インテリアだけでなく、香りや寝具、ルームウエアも含めて、自分をケアするものにお金を使うことが当たり前になってきた。その流れの中で、リカバリーウエアにはまだ大きな可能性があると期待している。
WWD:将来的には、ほかのブランドでの展開もあるか。
巻島:チャレンジしていきたい。マッシュには「ジェラート ピケ」だけでなく、「スナイデル ホーム(SNIDEL HOME)」やスポーティーな「エミ(EMMI)」、メンズなど、それぞれ異なる切り口があり、ブランドごとに特性や顧客ニーズも違う。社内でもリカバリー分野への注目は高い。ただ、まずは「ジェラート ピケ」でお客さまに安心・安全なものを届けることが大事だという考えがある。ここできちんと実績を作った上で、次につなげていきたい。