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少子化時代に選ばれる子供服とは? 50年の老舗「ハッカキッズ」も休止

子供服ブランド「ハッカキッズ(HAKKA KIDS)」を展開するファッション須賀は9月1日、同ブランドの運営を2027年1月末で休止すると発表した。生産は26年春夏で既に停止しているという。

1976年に誕生した「ハッカキッズ」は“子ども服の新たな実験”を掲げ、大人服のように自由に着こなしができる子供服を提案してきた。オリジナルの総柄プリントやキャラクターとのコラボレーションも人気を集め、百貨店や都心の商業施設を主力販路に支持された。休止後も商品は、リボン ハッカキッズ京王百貨店新宿店や六本木ヒルズ店などの現行店舗と公式オンラインストア、ゾゾタウンで一定期間販売する。ファッション須賀の年商は、21年時点でウィメンズ、キッズ&ベビー、飲食雑貨の3部門がほぼ3分の1ずつを占める構成だったが、今後は好調な雑貨と婦人服に経営資源を集中する。

倒産・休止は「ハッカキッズ」以外にも

子供服を主力とするブランドや企業の休止、倒産は、「ハッカキッズ」以外にも近年散見される。大阪を拠点とする子供服ブランド「ジェニィ(JENNI)」は、競争激化と卸先の減少、円安によるコスト増が重なって資金繰りが悪化し、負債約16億円を抱えて25年8月に事業を停止し、自己破産を申請した。1986年の設立以来、全国50店舗以上を展開し、16年には売上高は40億円ほどあった。商標はクロスプラスが承継し、実店舗を持たないEC中心の形で26年秋冬から供給を再開する。「フェンディ(FENDI)」など海外ラグジュアリーの子供服を輸入販売してきたマ・メールは、24年9月に負債約23億7800万円で民事再生法の適用を申請。スポンサー支援を受けたが再建は難航し、25年5月に再生手続きの廃止決定を受け、6月末までに順次閉店した。1925年創業の老舗であるキムラタンも、22年に220店のうち210店を閉鎖し、不動産事業に軸足を移している。

少子化の中、市場は値上げでしのぐ

これらの企業・ブランドの苦戦の背景には、少子化による子供服需要の減少がある。25年の出生数は67万1236人で10年連続の過去最少、合計特殊出生率は1.14で過去最低を更新した。15歳未満人口も26年4月1日時点で1329万人と、45年連続で減った。

市場は回復基調も、「値上げ」が主要因

ベビー・こども服の国内小売市場規模の推移(矢野経済研究所調べ)を見てみると、2010年代は9000億円台でおしなべて横ばいを維持していたものの、コロナ禍の20年は7872億円まで激減。その後、21年8118億円、22年8200億円、23年8385億円、24年8405億円(見込み)と、4年連続のプラスとなるも、コロナ前の水準には戻っていない。

また、この回復基調も手放しに楽観はできない。同研究所は近年の市場の伸長要因について「商品単価の値上げ」を挙げており、メーカー企業は円安や資材価格、輸送費の高騰に伴う価格転嫁でしのいできた構図が透けて見える。

少子化時代に生き残るには?

西松屋は小学校高学年にも照準

ベビー・子供服はサイズアウトが早く、着られる期間が短い。物価高の中、家庭が子供の服に掛けられる予算も少なくなった。そのような中で「ハッカキッズ」など百貨店やSCを主戦場とする中間価格帯から、価格訴求力のある専門店チェーンに客が流れている。その受け皿の一つが西松屋チェーンだ。少子化の流れに逆行するように32期連続の増収を続けており、27年2月期は5期ぶりの最高益更新を見込む。郊外型店舗の広さを生かし、衣料品だけでなく紙おむつや粉ミルク、離乳食、チャイルドシート、ベビーカーまで、育児インフラに近い品揃えを徹底したローコストオペレーションで実現する。近年は小学校高学年向けの衣料品にも裾野を広げている。

大人も虜にする「ジェラピケ」

「安さ」だけでなく、独自性や商品力を磨いた子供服であれば、選ばれることを示す事例もある。マッシュホールディングスの25年8月期は、キッズ&ベビー事業が前期比28%増の55億円と大きく伸びた。主力ブランド「ジェラート ピケ(GELATO PIQUE)」でもキッズ&ベビーカテゴリーが好調で、ブランドらしいふわふわ、もこもことしたデザインは「自分の子供に着せたい」と思わせるだけでなく、ギフトにも選びたくなる商品がそろう。

「ミキハウス」は高級志向、海外に照準

また、内需だけで規模を保つには限界がある中、狙うべきは海外だ。矢野経済研究所は、「低価格帯を比較的好む国内よりも、海外の方が高価格帯へのニーズがある」とし、海外進出を含めた高価格帯戦略が今後より重要になると指摘する。「ミキハウス(MIKI HOUSE)」を展開する三起商行も、少子化による国内市場の落ち込みをカバーしきれず、ここ10年近く売上高は減少傾向にある。だが22年秋から販売を始めた最高級ライン“ミキハウス ゴールドレーベル(MIKI HOUSE GOLD LABEL)”は、海島綿やホワイトグースダウン、カシミヤシルクといった素材を国内工場で縫製しており、国内外の富裕層とインバウンドの支持を集めている。カバーオールで4万円前後、ソックスでも2万5000円前後とハイプライスだが、良質でデザイン性の高い日本の子供服は海外で人気があり、訪日客への販売を含めた海外売り上げは既に全社の過半を占めるまでになった。8月8日には深圳の商業施設に中国の直営2号店を開き、順調な立ち上がりを見せている。

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