
花王の新生「ソフィーナ」が、成長に弾みをつけつつある。2026年1〜6月のブランド実績は前年同期比4%増と堅調に推移。5月に刷新した「ソフィーナ iP(SOFINA iP)」の炭酸泡洗顔料に続き、8月に立ち上げた1000円台中心の「ソフィーナ ベーシック(SOFINA BASIC+)」も好発進した。9月には「ソフィーナ プリマヴィスタ(SOFINA PRIMAVISTA)」のバームファンデーション、10月には「ソフィーナ iP」のシワ改善をうたう化粧液と乳液を投入し、秋商戦で攻勢を強める。
新生「ソフィーナ」は、カウンセリング商材の「ソフィーナ iP」「ソフィーナ プリマヴィスタ」「アルブラン(ALBLANC)」、セルフ商材の「ソフィーナ ベーシック」、ECの「ソフィーナ シンク+(SOFINA SYNC+)」の5ブランドで構成される。同社は2026年から各ブランドの価値を集約し、「ソフィーナ」を化粧品事業のグローバル展開における重点ブランドの1つに位置づけ、成長戦略を進めている。
5ブランドを束ねる共通軸
再編の軸となるのが、花王が蓄積してきた角層研究だ。「ソフィーナ」が誕生した1982年以来、角層を中心とする皮膚科学研究を続けてきた。この研究資産を5ブランドに共通する基盤とし、価格帯や購入接点に応じた提案を強める。
先行して成果が表れたのが、刷新した「ソフィーナ プリマヴィスタ」。「プリマヴィスタ」に「ソフィーナ」の皮膚科学研究を融合し、「角層美容ベースメイク」ブランドとして始動した。

3月に発売した第1弾の化粧下地“角層保水プライマー”[SPF50・PA+++](25g、3520円※編集部調べ、以下同)は、同月の化粧下地市場でシェア2.5%を獲得。単品売り上げランキングでは5位に入った(インテージSRI調べ、2026年3月化粧下地カテゴリー売り上げ金額)。
「ソフィーナ iP」も伸びている。「ソフィーナ iP」全体の使用者は前年比15%増の150万人台に達し、2品以上を購入する顧客も45万人に上る。26年1〜6月の出荷売上高は、国内が前年同期比9%増、海外が同19%増だった。5月にリニューアル発売した炭酸泡洗顔料“マイクロ泡セラム洗顔料”(160g、3520円/240g、4180円※同)が支持を集め、月平均出荷売上高は旧品の5.3倍となった。

1000円台の化粧水・乳液が好調
新たな顧客との接点を担うのが、エントリーラインとして立ち上げたスキンケアブランド「ソフィーナ ベーシック」だ。従来の「ソフィーナ」は、カウンセリング商品を中心に展開してきた。ドラッグストアなどで手に取りやすい価格帯の商品を加え、顧客層を広げている。ブランドミューズに俳優の河合優実を起用し、認知拡大も図る。

8月8日に発売した化粧水(120mL、1430円)と乳液(120mL、1650円)はいずれも1000円台。発売前後の10日間(8月4〜13日)で累計出荷本数は50万本を突破した。購入者の6割が、直近1年間に「ソフィーナ」の商品を購入していない新規客だった。田村聡史ブランドマネジャーは「われわれの狙い通りの立ち上がりができた」と手応えを示す。
AI解析で「生肌」を再現
秋の攻勢の第1弾はベースメイクだ。9月12日、「ソフィーナ プリマヴィスタ」からバームタイプのファンデーション“生肌カバーバーム ファンデーション”[SPF30・PA+++](全5色、各4400円/レフィル各3300円※同)を発売する。

従来のファンデーションは、カバー力を高めるほど仕上がりが平面的になりやすかったが、同商品は肌のキメの形を生かした立体的な塗膜を形成する。厚塗り感を抑えながら毛穴や色ムラをカバーし、「生肌質感」に仕上げる。開発では、人による感性評価と「キレイ肌AI」による解析を組み合わせた。「生肌」に躍動感をもたらす構成要素を、感性とAIの両面から特定したという。
日常の基礎ケアでシワ改善訴求
10月17日には、「ソフィーナ iP」のエイジングケアラインを拡充する。同ラインではシワ改善美容液などが伸びている一方、化粧液や乳液といった日常使いの基礎ケアが手薄だった。

そこで投入するのが、“薬用 角層トリートメント 深層化粧液”(160mL、3520円※同)と“薬用 角層トリートメント 深層美容乳液”(80g、4070円※同)だ。それぞれレフィルも用意する。
有効成分のナイアシンアミドを配合し、シワ改善を訴求する。角層細胞に潤いを与え、柔らかな状態を保つ処方も採用した。田村マネジャーは、「化粧液と乳液の併用で、特別なケアでシワ改善を行うのではなく、日常のスキンケアでその効果を感じさせる技術を搭載した」と説明する。
新商品投入に合わせてプロモーションも強化し、「ソフィーナ iP」のエイジングケアユーザーを現在の24万人から、発売1年後には約1.7倍の40万人へ増やす計画だ。
2030年に売上高1.5倍へ
「ソフィーナ」全体で商品拡充は27年も続く。春には「ソフィーナ ベーシック」の新ラインを立ち上げ、基礎ケアを拡充する。同年秋には「ソフィーナ iP」と「アルブラン」でも新たな提案を予定する。
30年には、「ソフィーナ」全体のグローバル売上高を25年比約1.5倍に伸ばし、国内ユーザー数を420万人へ引き上げる。日本で確立した価値をアジア各国・地域の特性に合わせて展開し、27年のアジア売上高は24年比1.5倍を目指す。