「ジョンマスターオーガニック(JOHN MASTERS ORGANICS)」は、ブランド改革プロジェクト「JMO2.0」を始動する。約3年かけ、“オーガニックコスメのパイオニア”という従来のイメージを刷新し、「唯一無二のプレミアムコスメブランド」への進化を目指す。第1弾として10月8日、ブランド最高峰と位置づけるヘアケアシリーズ“プロボタニカルコンセントレイト”を立ち上げる。“クリームシャンプー”(300g、9900円)、髪用導入美容液“ヘアセラム”(117mL、1万4300円)、“ヘアマスク”(150g、1万2100円)の3品を発売する。10月22日から12月3日には、5種類の香りを、ヘアミスト、ボディーウォッシュ、ボディーミルク、ハンドウォッシュ、ハンドクリーム、マルチオイルの6カテゴリーで展開し、計30品を順次発売する。直営店と公式ECで取り扱う。
「JMO2.0」では、主力のヘアケアの高付加価値化を図るほか、香りやデザイン、店舗体験を磨き、事業領域をライフスタイル分野に広げる。大滝雄一郎ジョンマスターオーガニックグループ社長は「私たちが考える唯一無二のプレミアムとは、価格が高いことや見た目が豪華であることではない。期待を超える効果実感、心が動く美しさや世界観、ブランドと出合い使い続ける中での豊かな体験。この3つを高いレベルで実現する」と説明する。
「オーガニック」だけでは選ばれない
「ジョンマスターオーガニック」は1994年にニューヨークで誕生。2007年に日本に上陸し、国内のオーガニックコスメ市場をけん引してきた。しかし近年は参入ブランドが増え、消費者が機能性を重視する傾向も強まっているという。大滝社長は「オーガニックやナチュラルの市場は飽和し、ともするとコンテンツとして陳腐化している。オーガニックであろうが機能価値がベースになければもう買われない」とみる。
こうした中、25年6月発売のブランド初の医薬部外品“薬用 ヘアグロースエッセンス”と、26年4月発売の「自然×科学」を掲げたヘアケアシリーズ“ボンドレイヤー”がヒットした。同社は、自然由来の思想に科学を掛け合わせ、機能性を高める商品開発に手応えを得た。
売上高の約7割を占めるヘアケアを高付加価値化
「JMO2.0」を象徴するのが“プロボタニカルコンセントレイト”シリーズだ。創業者がサロンで行っていた植物を用いたヘッドスパに着想を得て、現代の植物科学と技術で再解釈した。ブランド初のクリーム洗浄設計を採用したシャンプー、導入美容液、ヘアマスクの3ステップで、頭皮と髪を洗浄し、補修の土台を整え、髪を補修。自然由来成分をセルロースカプセルに内包し、使用時に手の圧で崩れる独自技術を共通して採用した。
同シリーズは、同社の売上高の約7割を占めるヘアケアの高付加価値化を担う。価格帯は9900〜1万4300円で、ブランド最高峰ラインに位置付ける。店舗では、頭皮スコープや毛髪診断の知識を持つスタッフによるカウンセリングも強化。大滝社長は「ジョンマスターの大きな強みの1つは店舗スタッフのクオリティーの高い接客」と話す。商品と接客を組み合わせ、「最も信頼されるプレミアムヘアケアブランド」を目指す。
香りを「商品の1要素」からブランド資産へ
もう1つの重点領域が香りだ。大滝社長は、「香り自体の評価は高かったが、まだ商品の一部としての香りにとどまっていた」と話す。今後は香りをブランド資産と位置付け、売り上げの柱として育てる。新たなヘア&ボディーフレグランスコレクションのコンセプトは「THE WAY WITHIN(内なる心へ向かう旅)」。都市で暮らす現代人に自身の軸を取り戻すエンパワーメントの意味を込めた。調香は25年から同ブランドの香りを手掛けるニューヨーク在住の調香師ルーク・マルヴィー氏が担当。ブランド発祥の地ニューヨークの情景や時間から着想し、全ての香りの中心にはウッドを据え、自然と都市性の融合を目指した。
商品は、ヘアミスト(計5種、各50mL、各6600円)、ボディーウォッシュ(計5種、各280mL、各4400円)、ボディーミルク(計5種、各280mL、各4950円)、ハンドウォッシュ(計5種、各280mL、各4400円)、ハンドクリーム(計5種、各30g、各2750円)、マルチオイル(計5種、各90mL、各6600円)の6カテゴリー。各カテゴリーで5種類の香りをそろえ、計30品を展開する。
店舗やECも刷新
パッケージや店舗、ECを順次刷新する。パッケージには金属の質感を取り入れ、自然由来の柔らかさにブランド発祥の地ニューヨークの都市性を重ねた。店舗は自然素材を使いながらディテールを洗練し、カウンセリングを重視した空間に改装する。ECサイトは10月に刷新する予定だ。
今後は機能性を高めた新商品や香りの商品をシーズンごとに投入するほか、既存品も順次改良する。店舗やECを含むブランド全体の刷新を、おおむね3年で一巡させる。
マツキヨ傘下で「JMO2.0」を加速
同社はここ数年、次の成長に向けて事業基盤を整備してきた。為替変動などのリスクを踏まえて米国中心だった生産・調達体制を見直し、現在は日本での生産比率を約7割まで高めた。バックオフィス業務やオペレーションの効率化も進めてきた。
そうした中、同社は8月、マツキヨココカラ&カンパニーグループへの参画を決めた。大滝社長は「買収してこれまでの方向性が変わるということではない」と強調する。パートナー選定では「JMO2.0」の方向性への理解を前提としたという。今後は同グループの事業基盤や知見、ネットワークを活用し、「より規模が大きく、よりスピードのある変革」を進める。