ファッション

「ガジェス」三條場夏海が提案する“アメカジ×レディーライク” 自由が丘の古着屋「スマッシュ」を訪れる【東京ビンテージショップガイド for GIRL’S】

本連載「東京ビンテージショップガイド for GIRL'S」では、スタイリストやバイヤー、モデル、フォトグラファー、エディターなど、“ビンテージラバーズ”な業界人にフォーカス。毎回ゲストを迎え、リアルに通う信頼の古着屋や気になっていたショップを巡りながら、ビンテージの楽しみ方をひもといていく。

第4回のゲストは、自身が手掛けるブランド「ガジェス(GAJESS)」のディレクターであり、女性から多くの支持を集める三條場夏海さん。彼女が「メンズライクなアメカジアイテムを上品なワードローブにどう取り入れるかが新鮮」と語る、自由が丘にあるビンテージショップ「スマッシュ(SMASH)」を訪ねた。

「スマッシュ」とは?

2024年5月にオープンした「スマッシュ」は、カナダへ移住し、古着ディーラーとして経験を積んだ林隼矢オーナーが手掛けるビンテージショップ。主にアメリカとカナダのディーラーから買い付けを行い、半年〜1年に1回は自身で海外へ足を運び、仕入れを行っているという。

店内には1980〜90年代のアメリカンビンテージを中心に、Tシャツやスエット、ベースボールシャツ、海外のおもちゃまで、幅広いアイテムが並ぶ。

中でも特徴的なのが、林オーナーの「大の野球好き」という趣向を反映した、豊富なベースボールアイテムだ。「野球に救われてきた人生なので、野球に恩返しがしたくて。野球が好きじゃなくても、僕が買い付けた古着をきっかけに野球を好きになってもらえたら、とってもうれしいんです」。ニューヨーク・ヤンキースやロサンゼルス・ドジャースといた有名どころはもちろん、ピッツバーグ・パイレーツといった野球好きしか知らない球団のTシャツも用意されている。

ショップのコンセプトである「兄の部屋」を思わせるように、レジ前にはどこか懐かしいテレビデオと、プレイステーション2が置かれている。自由が丘という立地柄、ファミリー層の来店も多いことから、「お子さんが飽きないようにゲームやビデオを置き、リラックスしてもらえるような空間作りを意識している」と林オーナーは語る。

コンパクトな店内には、ラックいっぱいにアイテムが敷き詰められている。メンズアイテムが多いのかと思いきや、実はそうではない。カップルでの来店も多いため、「女性にも手に取ってもらえるよう、幅広いサイズラインアップを意識して買い付けを行っている」という。女性客が訪れても心引かれるアイテムが見つかるよう、随所に林オーナーの細やかな工夫が凝らされている。

さらに、良心的な価格設定も魅力の一つ。「昨今の古着は高騰し過ぎている」と話す林オーナーは、Tシャツは1万円以下で販売することを心掛けているという(一部を除く)。「古着を初めて購入する方でもチャレンジしやすいようにしたい。古着を好きになるきっかけになれば」。そんな思いも、「スマッシュ」の店づくりを支えている。

三條場夏海がアメカジならではの“やんちゃ”を
大人の艶っぽさに昇華

三條場さんが「スマッシュ」を訪れたきっかけは、古着好きの友人に連れられたことから。「来店回数自体はそんなに多くはないのですが、林オーナーの魅力的なトーク術もあって、思い出深いショップなのです」と明かす。

三條場さんといえば、上品な艶のある女性らしいスタイリングが強みだ。一見すると、「スマッシュ」が得意とする“やんちゃ”なアメカジテイストとは対極にあるように思えるが、三條場さんは「実は、アメカジとヘルシーなモダン要素はすごく相性がいいんです」と語る。

「例えば、最近トレンドのカプリパンツやタイトなロングスカートなど、レディーライクなボトムスにこそ、あえてアメカジTシャツを合わせたい。一見難しそうに見えますが、程よい“遊び”の要素になって、かえって女性的な魅力が際立つんです」と、独自のミックススタイルのこだわりを明かしてくれた。

さらに、「むしろ、普段はフェミニンやレディーライクな洋服が多い方にこそ、アメカジアイテムを試してみてほしい。特にビンテージ初心者は、まずTシャツを選ぶのがおすすめ。クローゼットに1枚あるだけで、スタイリングの幅がグッと広がります」と続ける。

そんな三條場さんがショップツアー中に目を留めたのは、マルチカラーのボーダーTシャツ(9000円)だ。「最近はボーダー柄から少し離れていて、選ぶとしてもフレンチテイストな細めのボーダーアイテムやモノトーン系ばかりでした。でも、この絶妙な配色とテンションのボーダーに出合うのは初めて。『今日連れて帰らないと絶対に後悔する!』と思って、すぐに購入しました」と笑顔を見せた。

「スマッシュ」のアイテムで即興コーデを披露

ショップツアーの締めくくりには、三條場さんが店内のアイテムを取り入れたリアルなスタイリングを披露してくれた。主役に選んだのは、自身で購入したボーダーTシャツ。ボトムスとシューズには、私物である「ガジェス」のカプリパンツとピンヒールを合わせた。

「このTシャツは素材感がすごく魅力的。テロッとした薄手の生地で、肩のラインを華奢に拾ってくれるんです。そして、タックインしたときに生まれるゆったりとしたドレープ感も理想的で、まさに好みのシルエットになりました」と三條場さん。足元についても、「ボーイッシュにまとめすぎるのは自分らしくないので、ポインテッドトゥのピンヒールで女性らしさを足し、全体をバランスよく引き締めました」とポイントを語った。

“レディーライク”と“アメカジ”。一見すると対極にある要素を、自由な発想と確かな美意識で掛け合わせる三條場さんの提案は、私たちが日常のワードローブにビンテージを取り入れる際の大きなヒントになるはずだ。

三條場さんのスタイリングの詳細や、林オーナーとの掛け合いの様子は、「WWDJAPAN」公式YouTubeチャンネルの動画で詳しく紹介している。

店舗詳細

■「スマッシュ」

住所:東京都目黒区自由が丘2-8-7 コア自由が丘103
時間:12:00〜19:00
定休日:水曜日

> 「スマッシュ」のインスタグラムはこちら

PHOTOS:KAZUSHI TOYOTA
※記事中の商品についての問い合わせは、店舗に直接ご連絡ください。

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