ファッション

モデル・紗羅マリーが惹かれた、自由が丘の古着屋「エロティック」【東京ビンテージショップガイド for GIRL’S】

自由が丘駅から少し歩みを進めた奥沢エリア。落ち着いた住宅街と洗練された個人店が混在するこの街に、ビンテージショップ「エロティック(EROTIC)」がある。

本連載「東京ビンテージショップガイド for GIRL'S」では、スタイリストやバイヤー、モデル、フォトグラファー、エディターなど、“ビンテージラバーズ”な業界⼈にフォーカスし、東京都内にひしめくビンテージショップを紹介。毎回ゲストを招き、彼女たちがリアルに通う信頼できる古着屋や、気になっていた古着屋を巡りながらビンテージの楽しみ方を紐解いていく。

第2回のゲストは、「イロジカケ(IROJIKAKE)」やアイウエアブランド「サヴァージュ(SAUVAGE)」のブランドディレクターを務める、モデルの紗羅マリーさんが登場。彼女が「ずっと来たかった」と話す、「エロティック」の魅力とは?

「エロティック」とは?

2022年9月にオープンした「エロティック」は、原宿の「キンセラ(KINSELLA)」や下北沢の「フランクブラック(FRANK BLACK)」といった実力派古着店で13年にわたり経験を積んだ杉本陽介オーナーが手掛けるビンテージショップだ。3カ月に1度のペースで杉本オーナー自らがヨーロッパへ赴き、1点1点ハンドピックで買い付け。店内はメンズが7割、ウィメンズが3割を占める構成だ。

店名である「エロティック」は、かつて静岡市にあり、杉本オーナーが若いころに通い詰めた同名のビンテージショップに由来している。惜しまれつつ閉店した名店への深いリスペクトを込め、自由が丘の地でその名前とスピリットを受け継いだ。

特筆すべきは、自由が丘という立地選びに表れる杉本オーナーのこだわりだ。「オープン当初、自由が丘には古着屋がほぼ存在しなかった。だからこそ、『エロティック』がこの街で唯一の古着屋としての価値を築けた」と振り返る。

原宿や高円寺、下北沢といった既存の古着カルチャーの中心地ではなく、あえてライフスタイルへの感度が高い大人やファミリー層の厚い街に出店したことで、新たな客層を開拓。まさにブルーオーシャンなエリアでの挑戦だった。

現在の来店客は男性が半数以上を占めるものの、感度の高い家族連れやカップルでの来店も目立つという。スタッフはアイテムの時代背景や専門知識を交えつつも、敷居の高さを感じさせない温かな接客で、地域住民との継続的なコミュニティー形成にも注力している。

「ストーンアイランド」や「C.P. カンパニー」のテックウエアがずらり

ガラス張りのエントランスを抜けると、海外のおもちゃが飾られたショーウインドウが目を引く。その先には、スタイリッシュな空間が広がり、ジュエリーやアイウエア、スニーカー、キャップなどの小物から、厳選されたアパレルまでが美しくレイアウトされている。ゆっくりと“ディグる”ことができる、大人のためのビンテージショップだ。

目玉は、「ストーンアイランド(STONE ISLAND)」や「C.P. カンパニー(C.P. COMPANY)」といったテックウエアの充実ぶり。特に「ストーンアイランド」のアーカイブは近年高騰しており、ここまで状態の良い製品ラインアップがそろうのは珍しい光景だ。一方で、一般的な古着店であれば売り上げの主軸となり得るビンテージTシャツの展開は絞り込まれている印象。目先のトレンドや利益に左右されず、確固たるコンセプトを貫く杉本オーナーの意志や偏愛っぷりがうかがえる。

また、同店に並ぶのは古着だけではない。日本のデザイナーズブランド「アンセルム(ANCELLM)」やアイウエアブランド「カーニー(KEARNY)」など、杉本オーナーが「古着に合う」ように目利きしたセレクトアイテムも展開。ジュエリーに至っては、ヨーロッパで買い付けたアンティークから市場価格の高騰が続く「エルメス(HERMES)」まで、服好きの心をくすぐる垂涎のラインアップがそろう。

紗羅マリーの“古着愛”が再燃

自他共に認める古着好きであり、一時はビンテージ家具の収集にも没頭していたという紗羅さん。しかし、ここ最近は古着カルチャーから少し距離を置いていたという。

「昨今の古着ブームで、いいものを見つけるのが難しくなってしまった。値段と価値が見合えばもちろん購入しますが、全体的に相場が高騰しすぎている印象があります」。そう語る紗羅さんは、所有していた古着やビンテージ家具を一度手放した過去も。それでも「やっぱり私は根っからの古着好き」と笑う。だからこそ、最近は改めて“本当にいい店”を探し始めているそうだ。

そんな中、インスタグラムで偶然見つけたのが「エロティック」だ。フィード投稿の雰囲気と、状態のいい古着のラインアップに引かれたそうで、「実際に来てみると洋服のセレクトにオーナーさんの好きなものがちゃんと表れているのが伝わってきました。トレンドを追うというよりも本当に好きなものだけを集めている感じがして、それがすごく素敵でずっと来てみたかったんです」。

紗羅さんが古着を選ぶ際、頻繁に手に取るのがメンズアイテムだ。その理由について、「自分が手掛けるブランドのアイテムでタイトなものを着るときは、メンズのビンテージととても相性がいいんです」と説明。自身のクリエイションとビンテージのシルエットを融合させるのが、彼女ならではの取り入れ方だ。

テックウエアや上質なデザイナーズアイテムが並ぶ店内において、今回のショップツアーで紗羅さんの目を引いたのは、あえて土臭さの残る1940〜50年代のフレンチワークシャツ(2万6400円)。「時代を感じさせる色あせた風合いや、リアルに使い込まれたペンキの飛び散りが絶妙なアクセントでとってもかわいい」と紗羅さん。ビンテージならではの一点物の魅力を改めて実感した様子だった。

「エロティック」のアイテムで即興コーデを披露

ショップツアーの締めくくりとして、紗羅さんが店内のアイテムだけを使ったスタイリングを提案してくれた。フレンチワークシャツを主役に、手染めされたピンクのボトムス(1万7000円)を合わせた。これもメンズサイズだが、裾をロールアップして足首を見せることでスッキリとした印象に。仕上げにネイビーのバンダナ(3300円)を巻き、ワークウエアの無骨さに色使いと小物で抜け感をプラス。紗羅さんらしいミックススタイルが完成した。

紗羅さんのスタイリングプロセスの詳細や、杉本オーナーとの掛け合いの様子は、「WWDJAPAN」公式YouTubeチャンネルの動画でチェック。

店舗詳細

■「エロティック」

住所:世田谷区奥沢5-40-12 南国ビル1階
時間:14:00〜21:00
定休日:不定休

> 「エロティック」のインスタグラムはこちら

PHOTOS:KAZUSHI TOYOTA
※記事中の商品についての問い合わせは、店舗に直接ご連絡ください。

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