秋が近づき、ヘアカラーやカットが落ち着きを見せるなか、50代以上の女性たちの間では、新鮮なカラーリングやモダンなボブカットを秋スタイルとして取り入れる動きが広がっている。
白髪を活かす「グレイブレンディング」がトレンドに
米ヘアサロン、エヴォルブ・サロン(Evolve Salon)のオーナー、フランシーン・ガースティング(Francine Gersting)によると、秋シーズンは暖色系のヘアカラーが好まれる傾向にあるものの、今年は50代以上の層を中心に、白髪に抗うのではなくヘアカラーで地毛なじませて楽しむスタイルが定着しつつあるという。「半永久染毛剤(デミパーマネント)を使ったグレイブレンディングで、自毛となじませることで、伸びてきても境目が目立ちにくく、自然な仕上がりがかなう」とガースティングは解説する。
こうしたナチュラルな地毛の色をそのまま活かす流れは、業界全体に広がるトレンドとも連動している。ロサンゼルスを拠点に活動するヘアスタイリストのサザン・オルデル(Susan Oludele)は、今秋のキーワードを「自由」だと語る。「50代以上の女性にとって今季最大のトレンドは自分らしさ。編み込みにしたいなら挑戦すればいいし、白髪を活かしたいならそうすればいい。年齢を重ねたからといってブレイズや前髪、カラーを楽しむのを諦める必要はありません。今こそ自分のスタイルを自信持って楽しむタイミングなのです」。
旬のシルエットは「スタックボブ」と顔まわりのレイヤー
肌寒い季節に向けて、今季のカットとして注目を集めているのが、「スタックボブ」と「顔まわりのレイヤー」だ。ガースティングによると、スタックボブはあごラインのボブをアップデートしたもので、前下がりのラインや長めの前髪が特徴だという。「長さを残しつつレイヤーを入れて顔まわりを華やかに見せたいというリクエストが増えている」と明かす。
マーサ・スチュワート(Martha Stewart)らを顧客に持つヘアスタイリストのミア・サンティアゴ(Mia Santiago)も、ここ数年レッドカーペットを席巻してきたボブ人気が継続していると指摘する。「ボブ人気は相変わらず高いが、よりパーソナライズされたスタイルに進化している。丸みを持たせたり、テクスチャーを出したり、短め・長めなどバリエーションはさまざま。カットそのものがスタイルを完成させてくれる点が魅力的だ」と話す。
ロングヘアに年齢制限はない
一方で、「ボブにはしたくない」という人に向けて、ヘアエデュケーターのモー・ハーヴ(Moe Harb)は、髪の密度や質、顔型、ライフスタイルに合わせれば、ロングヘアに年齢制限はないとアドバイスする。「ある程度の年齢に達したからといって、髪を切らなければいけないことなんて、非常に時代遅れな考え方。髪が健康で本人も気に入っているなら、ロングを維持しない理由はない。重要なのは、髪にメリハリと動きを与えること」。顔まわりにレイヤーを入れる手法は、動きを生み出す最も手軽なアプローチだという。
「サロンで一番よく耳にするのは、“印象を変えたいけれど、4週間ごとにメンテナンスに通うのは避けたい”という声」とハーヴは続ける。「立体感のあるカラーや顔まわりの明るさ、健康的で動きのある長さ、そして自宅で手軽に再現できるカット。これこそが、この秋のトレンドの核心」と締めくくった。