2026-27年秋冬シーズンの展示会で目立っていたのが、ニットトップスやシャツを腰に巻くスタイリングの復活です。以前と異なるのは、カーディガンやチェック柄シャツを巻く定番のアレンジにとどまらず、意外性のある組み合わせが増えたこと。サプライズな印象を与える腰巻きが広がりつつあります。昼夜の寒暖差にも対応しやすく、着脱自在なのも魅力です。今回は、世界の街角でキャッチしたコーディネート術をご紹介します。
カジュアルやストリートの印象が強かったかつての腰巻きと異なり、今シーズンはエレガントな装いにも取り入れられています。例えば写真のルックでは、ラガーシャツにスパンコールスカートをコーディネート。テイストの異なる上下にブルーのシャツを腰巻きし、さらにひとひねりを加えています。足元はハイヒールでフェミニンに。異なるテイストを重ねながら、着こなしに意外性をもたらす。全体のムードを揺さぶるような使い方が、今季の腰巻きに目立つ傾向です。
赤を効かせて、ウエストに視線集中
レイヤードで立体感をプラス
赤を差し色に使う腰巻きは、手軽に華やぎを補えるアレンジです。コントラストの際立つモノトーンの装いに取り入れれば、着こなしにメリハリが生まれます。ニットならではの柔らかな風合いも、ほどよいニュアンスをプラスします。
1枚目のルックでは、白いワンピースに深いレッドのニットトップスを腰巻きしました。白と赤の2色に絞ることで、ウエストに自然と視線を引き寄せています。サングラス、ネックレス、靴は黒でそろえ、白×赤の鮮やかなコントラストを引き立てました。
腰に巻くアイテムを増やすと、ウエストまわりに立体感と複雑な表情が生まれます。シャツをスカートのように巻き、その上からさらに別のウエアを重ねる“ウエストレイヤード”も、腰巻きの発展形として取り入れたいテクニックです。
2枚目では、チェック柄のシャツをスカートのように巻き、その上から赤いニットトップスを重ねました。結び目を正面からずらすことで、アシンメトリーなシルエットに仕上げています。トップスはあえてシンプルな白Tシャツを選び、腰まわりのレイヤードを際立たせました。
ひと巻きであえてバランスを崩す
腰巻きが生む絶妙な“ずれ感”
装いに適度な“ずれ感”を取り入れる着こなしが広がっています。きれいにまとまりすぎず、異なるテイストを掛け合わせることで、こなれた雰囲気を引き出すミックスコーディネートです。ウエストにひと巻きするだけの“プラスワン”アイテムが、格好のスパイスになります。
スポーツユニホームを街中で着る“ブロークコア”風の装いが目を引く1枚目のルック。レインボーのユニホームTシャツに、カムフラージュ柄のボトムスを合わせた、インパクトのあるモチーフ同士の組み合わせです。そこに涼やかなチェック柄シャツを腰巻きし、異なるテイストをつなぐアクセントに。柄を重ねることで、奥行きのあるミックススタイルに仕上げました。
セットアップのように上下がまとまった装いには、程よい“ノイズ”を差し込むことで、着こなしに意外性が生まれます。腰巻きは、そんなムードチェンジにうってつけ。ベースとなるセットアップとは異なる色や柄を選べば、より効果的に変化をつけられます。
2枚目写真のルックは、大ぶりの格子が目を引くウインドーペイン柄のシャツとパンツのセットアップを着用。淡いカーキのシャツを無造作に腰へ巻き、あえて上下のつながりを断ち切るようなアクセントを加えています。ヘッドスカーフに重ねたミリタリー調のショルダーバッグもカーキ系でそろえ、腰巻きの色とリンクさせました。
“なじませる”か“ずらすか”
アクセサリー感覚でレイヤード巻き
服を“着る”というより、アクセサリー風に“添える”感覚の腰巻きが広がっています。取り入れ方は大きく2つ。装いになじませるか、あえて違和感を生むか。なじませる場合は、ルックの基調色に合わせることで、全体に統一感が生まれます。
1枚目のルックでは、タンクトップにカットソーをレイヤードした、軽やかなアスレジャー風の着こなし。腰にも白いカットソーをベルトのように細く巻き、白い膝丈パンツと色をリンクさせています。細巻きにすることで、服というよりアクセサリーに近い感覚に仕上がり、清涼感のある装いに整いました。
一方、着ている服とは異なるモチーフや色のアイテムを腰に巻けば、装いに適度な主張が宿ります。ワンピースのように全体が均質に見えやすいウエアも、異なるテイストのアイテムを加えることで、メリハリがアップ。秋冬には、コートの上から巻いて単調になりがちなコートスタイルに変化をつけられるのも一案です。
2枚目の左のルックは、「マリメッコ(MARIMEKKO)」の柄シャツとデニムのコンビネーション。上下を“ウニッコ”柄でそろえたところに、チェック柄のスカーフを腰巻きし、あえて異なる柄をず差し込みました。右は、細かな柄を散らしたワンピースに、アートライクなプリント柄スカーフを腰巻き。モチーフのずれ加減が着こなしに奥行きを生む“柄on柄”スタイリングに仕上げています。
カーディガンやセーターを巻き、両袖を正面で結ぶ。そんな見慣れたスタイルとどまらず、巻くアイテムや位置、重ね方を工夫すれば、腰巻きの表現はさらに広がります。寒暖差が気になる季節の変わり目にも、簡単に“プラス・マイナス1枚”できる腰巻きは便利なアレンジ。気温や天気が揺らぎやすい初秋の装いに、新しい腰巻きスタイルを取り入れてみませんか。