日本の美容産業を「Jビューティ」として世界に売り出す構想が具体化してきた。政府は6月、「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針)」や「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2026年改訂版」「知的財産推進計画2026」にJビューティの海外展開や競争力強化を盛り込んだ。7月13日に開かれた自民党有志によるJ-Beauty産業研究会(会長・林芳正総務大臣)では、関係省庁と民間から、その実現に向けた具体策が示された。目標の一つが、2033年度までに化粧品の輸出額と海外での現地製造・販売額の合計を、24年の8000億円から2兆円規模へ引き上げることだ。この目標は日本化粧品工業会が掲げ、経済産業省の「化粧品産業競争力強化検討会」も化粧品産業の海外展開に向けた目標に据えた。
では、2兆円をどう実現するのか。経産省の検討会が6月にまとめた中間報告書では、「Jビューティ」のブランド化や認証制度、海外展開の重点国、物流の共同化などを提言する。厚生労働省は化粧品広告などの規制見直しを進め、総務省はインターネット上の違法広告への対応を強化する。民間では、化粧品から美容家電、ヘア、エステ、ネイルまでを束ねる「J-Beauty産業コンソーシアム(仮称)」の12月設立を目指す。Jビューティを巡る政官民の動きは、「日本の美容を世界に発信する」という掛け声から実行段階へ移ろうとしている。
世界市場90兆円、日本の輸出は8000億円から5000億円に
政府がJビューティに目を向ける背景には、世界の美容市場の成長と、日本の苦戦がある。経産省の中間報告書によると、世界の化粧品市場は約70兆円で、年率4〜6%で成長している。美容家電、美容機器、ヘア、ネイル、エステなどまで含む「ビューティ産業」では約90兆円に達する。一方、日本の化粧品輸出額はコロナ前の8000億円から24年には5000億円に減少。国内出荷額も同1兆8000億円から1兆4000億円に縮小した。国内市場も人口減少などにより、今後縮小する可能性がある。内閣府は24年に策定した「新たなクールジャパン戦略」で、ビューティ(化粧品)をコンテンツや食と並び、日本が国際的な競争力を持ち得る分野に位置付けた。今回の「知的財産推進計画2026」ではさらに踏み込み、Jビューティ産業全体のブランド価値向上に向け、関係業界が民間主導で設立するコンソーシアムを、内閣府、経産省などの関係府省が一体となって後押しする方針を明記した。
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