自民党議員で構成する「J-Beauty産業研究会」(会長・林芳正総務大臣)は13日、第8回会合を参議院議員会館で開き、5月に政府へ提出した提言の進捗を公表した。会合では、政府の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)や成長戦略、知的財産推進計画への反映状況に加え、年内設立を目指す「J-Beauty産業コンソーシアム(仮称)」の準備状況、化粧品広告規制の見直しについて、関係省庁と業界団体が説明した。
会合後に取材に応じた小林史明衆議院議員は、「Jビューティという言葉が『骨太方針』『成長戦略』『知的財産推進計画』の3つの政府文書に盛り込まれた」と説明した。正式な閣議決定はこれからとした上で、「政府はコンテンツ産業を2030年までに20兆円規模、クールジャパン関連産業を33年までに50兆円規模へ拡大する目標を掲げている。50兆円のうちコンテンツ産業が20兆円を占め、残る30兆円の成長分野の1つとしてJビューティを位置づけ、海外展開を進めていきたい」と述べた。
経済産業省は、「化粧品産業競争力強化検討会」の中間報告を踏まえ、日本貿易振興機構(ジェトロ)による海外展示会への出展支援や海外市場・規制情報の整備など、企業の海外展開を後押しする施策を説明。化粧品だけでなく、美容機器や美容サービスを含むJビューティ産業全体をクールジャパン戦略と連携して推進する方向性を示した。
民間は「J-Beauty産業コンソーシアム」を一般社団法人化
民間からは、日本化粧品工業会の小林一俊会長(コーセー会長)が、「J-Beauty産業コンソーシアム(仮称)」の設立準備状況を説明した。コンソーシアムは9月に準備委員会を発足し、12月の一般社団法人設立を目指す。化粧品メーカーに加え、美容機器、美容家電、OEM・ODM、理美容、ネイル、エステなど幅広い事業者が参画し、海外戦略やブランド認証制度、違法広告対策などを検討するワーキンググループを設置する方針だ。
厚生労働省は、化粧品広告規制の見直しについて、各国制度の調査結果を踏まえ、薬用化粧品の広告で数値データや使用体験談を活用できるよう、広告表現の運用ルールを定める「医薬品等適正広告基準」を令和9年度中に改訂する方向で検討を進めていると説明した。
一方、現在56項目に限定されている効能表現については、認められる表現のみを列挙するホワイトリスト方式から、禁止事項のみを定めるブラックリスト方式への転換を目指す方向性を示した。ただし、この見直しには薬機法改正が必要となる。小林議員は「来年には法改正の議論を始めなければ、国際的な開発競争には間に合わない」と述べ、日本企業が海外ブランドと同水準の広告表現を行える制度整備を急ぐ必要性を強調した。
総務省は、SNSやウェブサイト上の違法広告への対応を強化するため、「違法情報ガイドライン」の改訂を進めていることを説明した。現在、改訂案について広く意見を募るパブリックコメントを実施しており、その結果を踏まえてガイドラインを見直す予定。医薬品や化粧品などの虚偽・誇大広告への対応を明確化し、プラットフォーム事業者による削除対応を促進する考えだ。
美容産業横断でブランド化へ
韓国との競争について小林議員は、ODM・OEMを中心とした分業体制が製品開発のスピードを支えていると指摘。「制度改革だけでなく、日本としてどういう産業構造が競争力につながるのかを考えなければならない」と述べた。
会合には化粧品メーカーや美容サービス事業者など78人が参加し、コンソーシアムの運営や海外展開、制度改革などについて意見交換した。研究会事務局長を務める金子容三衆議院議員は、「化粧品だけでなく、エステやネイル、美容機器なども含めてJビューティとしてブランド化していくことが重要だという認識で一致した。スピード感を持って実行していきたい」と述べた。