
ノルウェーの首都オスロで、ファッション・ウイーク「オスロ・ランウエイ2026(Oslo Runway 2026)」が8月31日〜9月5日に開催された。国際的な知名度を持つブランドはまだ限られるものの、海外販路の開拓を見据えた意欲的なブランドから、新しい表現に挑戦しようとする若手ブランドまで、さまざまなプレーヤーが育ち始めている。現地取材を通じて見えた、「オスロ・ランウエイ」の現在地をリポートする。(この記事は「WWDJAPAN」2026年9月28日号からの抜粋です)
現地のファッション関係者は自国を「北欧の妹分」と呼ぶ。同じ北欧でもファッションの文脈で存在感のあるデンマークやスウェーデンに比べ、2015年にスタートした「オスロ・ランウエイ」はまだ発展途上だ。だからこそ、国内ブランドを紹介するだけでなく、「ノルウェーの美意識とは何か」を海外のメディアやバイヤーに伝えることも、このプラットフォームの大きな役割だ。
開幕日の舞台は、オスロから車で約1時間のキステフォス美術館。かつてノルウェーの産業を支えた木材パルプ工場の跡地に設立された同館は、旧工場を保存した産業博物館、現代美術のギャラリー、彫刻公園からなる広大な美術施設だ。初日はここでブランドのショーや公式ディナー、アワードの授賞式などが行われた。森や川沿いを歩きながらアート作品やファッションに触れる時間は、自然と創造性が地続きにあるノルウェーならではの感覚を、海外から訪れたゲストに印象付けた。
なかでも、「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」や「ジバンシィ(GIVENCHY)」などで経験を積んだトールン・ミクレブスト(Torunn Myklebust)によるスカーフブランド「ミクレ(MYKLÉ)」❶ は、そうした情景を巧みに演出へ取り込んだ。ノルウェーの自然をモチーフにしたシルクスカーフをドレスに仕立て、それらを着用したモダンダンサーたちが美術館の中庭で静かに踊った。自然と溶け合う美意識をショー全体で表現した。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。
